救済思想 (ページ5)

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私は、このホテル(最期の場所)で、
心理カウンセラーとして働いていた。

＿＿＿＿しかしそれは "表"の話。

本当は、このホテルから
逃がさないために使われていたんだ。

堕として、彼らを絶望から救済する。

自分で、堕としたのにも関わらず。
全く関係ないフリをして、助ける。

救済。だから私は「神」なんだ。

全ては、大好きな"あの人"のため。
私は、昔からそういうのが得意だったから。

ここの従業員、宿泊客、料理人＿＿＿＿
全て、私たちの手に堕としてきた。

此処までこれたのは、"あの人"のおかげ。

あの人のおかげで私は生きている。
私にはもう、あの人しかいない。

"あの人"って、誰だ？

*ようやく思い出したか?

甘い毒のような声が、耳元で聞こえた。
思わず後ろを振り返ると、"少女"が佇んでいた。

＿＿＿＿美しい。まるで、悪魔のように。
まず、その言葉が頭に浮かんだ。

血のように紅い瞳。
肩にかかるくらいの長さの茶髪。

雪のように、白く透き通った肌。
その白さは異様で、まるで幽霊のようだ。

少女は、無邪気に私へと微笑んむ。
それだけで、心が安らぐのを感じられた。

それと同時に、感じる。
私が全てを捧げた、"あの人"なんだ。

* 私はお前の中の悪魔。

* 私とお前は一心同体だ。

* もう二度と離れることはない。

* さぁ私の言うことを聞いてくれるか?

甘い声で、また私に囁いた。

脳には、正しい判断しか残されていない。
YESという選択肢しか、残されていなかった。

* 感謝する。では_________

* 隠し部屋の人物を、封じろ。

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