黄色イ泡 (ページ10)

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彼ノ笑顔ページ10

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『何でだよっ』

別れると言った時彼はわたしを止めた

何でだよ？いや逆に何でだよ

妻子がいることを知ってショックで頭が真っ白になってそれから訪れた感情は呆れだった

わたしの家にあった彼の荷物を全部まとめて玄関の扉の外へ放り投げた

『落ち着けって』

わたしは十分落ち着いていた

落ち着いていないのはそっちじゃない

わたしの腕を掴む彼の腕が大好きだった腕が気持ち悪かった

触らないで欲しかった

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＿＿＿＿＿

「はあ・・・」

また思い出してた

鏡にうつるわたしの瞳には控えめに涙がつもってる

あんな男のために泣くなんて・・
わたしもちゃんと恋してたんだなーそう呑気に思った

今日は大人しくゆいの帰ろうという言葉を待とう

そう決めて少し気合をいれてからそこをあとにした

扉を開けてすぐ視界に入ったのは

「あ・・・」

ちょうどお手洗いから出てくる錦戸亮だった

ハンカチで手を拭きながらわたしと目が合うと大きな口を横に伸ばして優しく微笑んだ

「楽しんでる？」

アイドルスマイル

なんとも自然な笑みだったけどどこか作られた笑みが違和感だった

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