目 的 地 ハ ページ43
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彼といると会話が途絶えることはそう無かった
彼は仕事の話だったり お友達の話だったりを楽しそうに話してくれた
おかげでわたしも彼によく日常の話をする
そんな時間がたまらなく好きだった
わたしの家を後にしてから約３０分が経った頃
やっと減速した時 車はどこかマンションの駐車場らしきところへ踏み入っていた
「 なんも聞かんとついて来てくれへん？」
車を止めて エンジンを切ったとき さっきまでとは少し違って どこか緊張感のある声が彼の口から漏れた
車から降りると生暖かい風がわたしを包む
むしむししててわたしも彼も眉間にしわを寄せた
車を施錠した彼の三歩後ろを歩いて行くと どこか高級感のある廊下に出た
一緒にエレベーターにのって また廊下を歩いて それからあるひとつの扉の前で彼がポケットから鍵らしきものを取り出す
この人のおうちなんだって気付くのにそう時間はかからなかった
「 えっと、亮くん・・？」
彼と出会って１年経った
程々にデートというものは重ねている
でも 私たちの関係は未だ お友達 であって それ以上でもそれ以下でもない
「 あっ、ちゃうよ・・！そんな手出そうなんて思ってへんよ・・！」
わたしの気持ちを察したのか 急に焦り出す彼は本当に愛らしくて 思わず笑ってしまった
「 嫌やった・・？ 」
「 いや、いいのかなって(笑)」
困ったように眉を下げつつも笑みを浮かべる彼に促されるまま わたしはそこに足を踏み入れた
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作者名：ストン | 作成日時：2018年6月25日 21時
