黄色イ泡 (ページ40)

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面倒ナ心ページ40

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「え、いや、ちがくて・・！」

目の前に座る彼の頭に垂れた耳が見えてきそう

哀しそうにこっちを見るその様子が捨てられた仔犬のようだった

「わたしも、好きだと思う・・けど」

好きだと思うけど

正直まだ会って数回連絡は取り合ってはいるものの彼の素性を信じていいのかはわからない

彼もわたしの何を好きなのかそう考えると自信がなくなる

仕事柄そう簡単に恋愛なんかしちゃいけないだろうしわたしもそれなりに覚悟は必要だと思うし

考え出したらキリなくてまだその一歩先に進めないのが事実

未だ眉を下げる彼にわたしの気持ちを伝えると

「うん、せやんな。ゆっくりいこ」

彼はまた優しい笑みを浮かべてくれた

こんな恋愛に慎重になるなんてどこの中高生よって心の中で思ったけど
きっとこの歳だからこそ慎重になるのかもしれないなってそうも思った

自分から振った小さな話題のせいでこのオムライスの味がわからなくなった

けど目の前でまた残ったそれを美味しそうに食べる彼の姿を見たらそんなことどうでもよくなって味覚もマシになった

「今日は連れてきてくれてありがとう」

そう言うと

「なんかもうバイバイするみたいで嫌やねんけど」

少しいじけたように言う彼にキュンとしてしまった

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