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ツ マ ラ ン 女 ページ12
yellow
いつの間にか姿を消した彼女
トイレにでも行ったかと思って俺も席を立った
案の定タイミングバッチリで鉢合わせて
しっかり俺の隣に座らせた
トイレから出てきた時も俺の隣に座った時も彼女はどこか上の空だった
別に酔ってるようではなさそうやし
なんともつまらん女や
正直そう思った
「 なにのむん？ 」
俺の問いかけにも
「 あそこにあるんで 」
そう 素っ気なく答えただけ
名前を聞いた時少し可愛らしい反応を見せたはずやったんやけどなー
彼女と反対の俺の隣に座る女みたいにもっとこう俺を求めることはせえへんのか
少し苛立ちさえ覚えた
「 錦戸くん全然のんでなあーいっ 」
香水をバッシャバシャにかけまくったそいつは酔ったふりして俺の腕にまとわりつく
大倉はなんや楽しそうに彼女のツレとまた違う女に囲まれてうまそうに酒を飲んでいる
あー 腹立つ
グラスに注がれていたウイスキーを一気に流し込んで 俺はたばこに火をつけた
この女 Aも もっと飲めばいい加減本性出すやろ
そこにいる女みたいに 芸能人目の前にテンションあがらんやつなんておらへんねやから
女はみんな同じや
「 もっとのんでええねんで 」
少し空いた距離を詰めて彼女の腰に腕を回すと
「 ありがとうございます 」
彼女は下手くそな作り笑いを浮かべた
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作者名：ストン | 作成日時：2018年6月25日 21時
