恋を、君と。❷ (ページ14)

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＊恥ずかしがり屋な恋へ #Reia ページ14

ちょっと叱るみたいに額をコツンとぶつけてみる。
お互いに視界中お互いの顔しか見えない中、それでもAは視線を逸らさずに俺の瞳を真っ直ぐに見つめて笑った。

「嶺亜くんも全然情けない顔なんかしてないよ。やっぱり今日もカッコイイし、かわいい。」

Aの紅い頬の熱が伝染ったように頬の内側がじんわりと熱くなる。
あったかくてくすぐったくて堪んなくなって我慢できなくなって、思わず、その真っ赤に熟れた可愛い頬をかぷりと甘噛みしてしまった。

「っ！」

Aは声にならない悲鳴を上げて俺の背中にしがみつく。
してやったりな笑みを浮かべて見下ろせば、Aは真っ赤な頬を膨らませて、そして、

「っ…！」

なんということでしょう。何とも完璧な不意打ちで俺の唇を攫っていったのです。
今度は俺が声にならない悲鳴を上げれば、今度はAもまたしてやったりな笑みを浮かべた。

ほらやっぱり、初めて見たその顔に俺はまた恋をして、またひとつ大好きが増えていく。

「嶺亜くん…、ありがとう。私がこんなにドキドキするのも嶺亜くんだけだから、嶺亜くんもスゴいよ？」

「…うん、知ってる。」

なんて戯けて笑ってみせるとAは俺が世界で一番好きな笑顔を咲かせてくれた。

いつまでこんな風にドキドキしてられるかな。
いつか隣にいることが当たり前になって、
恥ずかしがり屋もどこかへ行ってしまって、
その頬が紅く染まることもなくなっちゃうのかな。
そんな風になるまで、Aと一緒にいられるのかな。

「嶺亜くん、」

不意に襲ったそんな感傷を、

「……キス、して……？」

またひとつキミへと募る大好きが、
いとも容易く吹き飛ばしていった。

恥ずかしがり屋なこの恋へ─どうかこの胸の高鳴りをいつまでも忘れないでいて。

不意打ちのお返しと、初めて見せてくれた顔へのお礼に、ありがとうと大好きを込めてそっと口付けた。

fin.