恋を、君と。❷ (ページ2)

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ヤキモチ彼氏のあやしかた。#Taisho ページ2

「死なないで城〇内みたいに言うな」

「じゃあAは俺が同窓会行くって言っても止めないんかコノヤロー」

「止めないよコノヤロー。だって大昇、人見知りだし。十年以上ぶりの女の子となんてまともに喋れないでしょ」

ふわふわの髪の毛を指にくるくる巻き付ける。
シャンプーのいい匂いを楽しむ私とは対照的に大昇はますます私のお腹に顔を埋めて項垂れてしまった。
こうやって叱られた子犬みたいになるのが可愛くていつもついついイジワルく追い打ちをかけてしまうのが私の悪いクセである。反省。
まぁ可愛いから、またきっとやるけども。

「はぁぁぁ…俺が総理大臣になったら同窓会なんてこの世から消し去ってやる……」

さてさて、何だかこの世の終わりのような深い深いため息を吐き出したのでここいらで機嫌回復に努めましょう。

「あーあ、同級生に会ったら私の可愛い大昇くんを自慢しようと思ってたのになぁ。」

カットしたての髪の毛からひょっこりと覗く耳をピクっと跳ねさせて大昇はまた静止した。

「"私の彼氏くんは、顔が良くて、歌が上手くて、肩幅が広くて、ダンスも出来て、料理も出来て、肩幅が広くて、面白くて、可愛くて、肩幅が広い、天最高の彼氏なんだよー”って。」

「肩幅への賞賛多ない？」

「私の大昇の推しポイントだもんで」

すると今度はその肩をピクリと跳ねさす大昇くん。なんて分かりやすい。
まぁこのまま一気に畳み掛けます。

「ねぇ大昇くん」

てのひらをふわりと大昇の頭に乗せた。
そのてのひらからもちゃんとこの気持ちがちゃんと伝わるように。

「私、たぶん大昇が思ってるよりずっと、」

「大昇のこと好きだよ。」

ピクリ。私の言葉一つ一つにしっかり反応するそんな分かりやすいところも、やっぱり可愛い。

「大昇、こっち向いて？」

そう言っても恥ずかしいのか大昇はなかなか顔を上げてくれない。
仕方がないから大昇の頬を両手で挟んで無理やり顔を上げさせた。
こっちを向いたのは、何だか泣き出しそうなちょっと情けないしおしお顔だった。

「こんな美少年、他にいる？」

「……いない。」

萎れた顔とは反対の生意気な自信発言に笑いながら、そんな美少年の顔をてのひらでムニムニと弄ぶ。
そんなしおしお顔よりもちょっとムカつくけれどやっぱりいつものお得意なドヤ顔の方が大昇にはよく似合うからね。
早くいつもの顔を見せてくださいな。

「大昇くん、もっかい言うよ？」