11scene ページ12
「ご、め……ごめん、なさい……」
絞り出した声は、何とも情けなくて。カットがかかる。
カランと床に落ちた鍵。監督に、教室全体に、平野紫耀に。頭を下げた。
「大丈夫大丈夫！もっかい行こ！」
監督の明るい声がけが、さらにプレッシャーで。
頑張らなきゃ。足引っ張っちゃいけない。
テイク２。
「うーん。もう少し表情欲しいなぁ」
テイク３。
手が震えて、鍵を落とす。
テイク４。
「怯えてる感じもっと出して！」
テイク５。
「……少し、休憩入れよっか」
どこまでダメなのだろう。
ふっと緊張が解けたかのように、ワイワイガヤガヤと話し始める教室。監督が椅子に座り、パラパラ台本をめくり違うシーンの撮影が始まった。
私だけが、取り残されていく。
何がいけないの。どこを改善すれば良いの。ずっとずっと撮影楽しみにしてて。セリフはもう全て頭に叩き込んである。
悔しい。
私はよろよろと一人楽屋へ戻り、静かにドアを閉める。椅子に座れば、ギシッと軋む音がやけに大きく聞こえた。
鏡を見れば。ひどく無表情な自分と目が合って。
そのまま頬を、一滴の雫が滑った。
やっぱり無理だよ。いきなり主演なんて。私はまだ。声なんかじゃ、目だけじゃ。演技出来ない。表現出来ない。
どうして私なんかを選んだんですか？相手はあの平野紫耀なのに。
嫌だ。帰りたい。一刻も早く。
メイク落ちちゃう。私はバッグからハンカチを取り出し、目頭を抑えた。その時。
いきなりノックも無しに開いたドア。
反射的に、そちらを見た。
「……気張りすぎ」
熱い頬にぴたっと、冷たい感覚。そしていつもの声。
見上げれば。ポケットに手を入れ私を見つめる平野紫耀の姿があった。
「ひら……」
「これでも飲んで、リセットしてや」
受け取ったのは、紙パックのミルクティー。戸惑いながらも、受け取った。
平野紫耀は、私の横に座る。二人横並び。自分の分も買ってきたのか、グレープの炭酸を開けた。
ガンガン効いた冷房の下。汗で体が冷えてきた。
「Aちゃんさ、原作読んだことある？」
「あり、ます」
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k(プロフ) - コメント失礼します。れなさんの書く作品がだいすきでこの話もとてもすきなので続きを書いて頂きたいです(><)これからも頑張ってください！応援してます！ (2020年5月10日 1時) (
レス) id: 85b25e2b8c (このIDを非表示/違反報告)
夏(なの)(プロフ) - 待って待って予想以上に神くんがエグい！笑紫耀くんが意外に凄いいい人で安心しました、、 (2018年5月5日 9時) (レス) id: 7655426a1d (このIDを非表示/違反報告)
れなさん(プロフ) - ユリさん» ユリさんありがとうございます！本当に本当にほんっっとうに申し訳ないのですが、この作品消しちゃうかもです……。ちょっと難しくて(嘆)。もし消してしまったら、違う連載作品応援してくれるとても嬉しいです(T_T) (2018年4月28日 21時) (レス) id: c72a49e4f9 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 更新楽しみにしてました！れなさんの作品どれも大好きなのでこれからも応援しています！ (2018年4月28日 3時) (レス) id: 7e6958c68c (このIDを非表示/違反報告)
れなさん(プロフ) - ☆あゆみ.K☆さん» あゆみさんはじめまして！いつもありがとうございます＞＜雪月花も読んでくれていて嬉しいです(号泣)。たくさん頑張ります！ (2018年2月22日 18時) (レス) id: c72a49e4f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れなさん
| 作者ホームページ：れなちゃん(@pinky_lovers98)さんをチェックしよう https://twitter.com/pinky_t17?s=...
作成日時：2018年2月14日 18時
