飛蜜１３ ページ13
「楽しかったなぁ〜、付き合ってくれてありがとね！」
「いやいや！むしろ俺から誘ったし！……楽しんでくれて、良かったです」
外に出ると、すっかり日は暮れていて。じっとりした暑い風が、体を包む。歩道側では、カンカンとヒールの音が軽快に響く。
良かった。少しでも、先輩の役に立てると良いな。ホッとしたのもつかの間。人気の少ない通り道。ふと、先輩が脚を止めた。
「……これからどうする？」
「えっ？明日学校だし、帰るんじゃないの？」
「へ、帰るの？」
「へ？あ、どこか行きたいとこあるの！？全然大丈夫だけど！」
あせあせと答えると、先輩は驚いたように目を丸くした。な、何か変なこと言ったのかな！？頭の上にはてなマークを浮かべていれば。
先輩は、俺の前をゆっくり歩きながら呟いた。
「……デート、した後って。するのが普通だと思ってたから。お金、ほとんど出してくれたし。
お礼……みたいな？」
それは、今まで紫耀先輩とどんな付き合い方をして来たかを表していて。
それと同時に、体目当てだと思われていたことにひどく悔しさと腹立たしさを覚えた。
「何言ってんの。ただ、先輩に喜んでもらいたかったから。……そんなこと、言わないで」
大きな瞳が、揺れる。隣を車が通り過ぎて、先輩のポニーテールをなびかせた。
「ありがとう」
先輩は、やっぱりどこか悲しそうに笑うと、またヒールの音を響かせ歩き始めた。
ー「おやすみなさい。気をつけてね」
「おやすみなさい……って、目の前だけどね」
夢のような時間も、もう終わり。家が隣だから、帰るときも自然と一緒。先輩が家に入ったら、俺も帰ろうかと思ったんだけど。
なかなか動かない！何で！？何かモジモジしてる気がする！！
「今日、本当にありがとね。……すごい楽しかった。また、その、どっか行きたい、なぁ……」
先輩は、語尾を小さくしながら言った。何それ。そんなこと言われたら。
独占したくなっちゃうじゃん。
「……うん、また行こ！テスト終わってからかな？」
「テ、テスト〜……。ひーくんまた家庭教師お願いします……」
もうすぐで期末試験。先輩はガックリとうなだれ、俺に両手を合わせ「お願い！」のポーズ。いちいち可愛いなぁ。
やっぱり先輩のこと、好きでしょうがない。
それからまた明日ね、と別れ、今日撮った写真がすぐに送られてきた。ニマニマしながら眺めていたら、妹に変な目で見られたのは言うまでもない。
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ひとみ(プロフ) - んー！！どうなっちゃうのぉ。更新ありがとうございます。もう、毎回楽しみです(o^^o) (2019年9月23日 0時) (
レス) id: 88d0a9adef (このIDを非表示/違反報告)
れなさん(プロフ) - ひとみさん» ひとみさん、コメントありがとうございます！遅い遅い更新にも関わらず、感想までいただけて何よりです！これからも頑張りますので、よろしくお願いします (2019年9月16日 23時) (レス) id: 3aa5a11220 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - secret license大好きです！飛貴くんの男の子の感じと可愛い感じが素晴らしいです。応援してます！！ (2019年9月16日 17時) (レス) id: 88d0a9adef (このIDを非表示/違反報告)
れなさん(プロフ) - 初子さん» 初子さん！いつもありがとうございます(；_；)レポート適当に終わらせてきたので、占ツクに集中したいと思います(ダメ)！よろしくお願いします！ (2018年8月8日 1時) (レス) id: c72a49e4f9 (このIDを非表示/違反報告)
織愛(プロフ) - 待ってます！頑張ってください！(*^^*) (2018年8月1日 22時) (レス) id: 0980741040 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れなさん
| 作成日時：2018年6月19日 11時
