Marine ２２ ページ31
ー貴方sideー
「っ、れ、んくん…？」
いきなりすっぽりと包まれる体。
驚いて、慌てて水を止める。
肩に乗せられた綺麗な顔。
廉くんの黒髪が、頬をかすめてくすぐったい。
「ど、したの？」
「んー」
ーギュッ
より一層強くなった、私を抱きしめる腕。
体温が上昇。
恥ずかしさで、喋れなくなる。
いまだに慣れない、不意打ち。
「なんかさ」
「…うん」
「………………好きやな、って」
「ーっ！」
甘い声が、耳元で囁かれる。
体中が
溶けたみたいに、熱く甘く
疼く。
「っ、い、いきなりはズルイ…です」
「だぁーって、なぁ？」
「ひゃっ」
その瞬間、頬に柔らかな感触。
キスされたと理解するまで数秒。
今日おかしいよ！？
付き合って史上最高のデレデレ廉くん。
お腹に回された腕はとても細いのに、ガッチリと力が入り私を離さない。
洗い物どころじゃ、ありません。
「麗奈は？」
「へ？」
「俺のこと、好き？」
「〜っ！？！？」
そろそろ頭がパンクしてしまいそうです。
何で？
何でこんなに甘えてくるの？
いや嬉しい、とても嬉しいのだけれど。
ストレートすぎて…恥ずかしい。
「なーあ」
俯いていると、顎に添えられた綺麗な指。
絡まる私の熱い視線と、廉くんの意地悪な視線。
強制的に、見上げる体制。
私を見下ろす廉くんは、楽しそう。
「…どうなん？」
「っ、す、き」
「もう一回」
「…す、きっ…！？」
フワリと軽く触れる唇。
目をバッチリ開けたまま。
廉くんの瞳を閉じた顔が、目の前に。
長いまつげまでハッキリと見えて。
「ん、充電完了」
ポンポンと軽く２回私の肩を叩く。
あっけなく離される体。
寂しいと思う自分が、何だか悔しい。
「……バカ」
「ん？」
「いえ、何も！」
仕返ししなきゃ、気が済まない。
私だけこんなドキドキするなんて。
なんて考えながら、洗い物を再開させたのだった。
たださっきと違うのは。
「今度麗奈の手料理食べたい！」
「す、スクランブルエッグなら…！」
「肉じゃがええよなぁ」
となりで廉くんが話してくれること。
何だか新婚みたいな会話だね。
……なんて絶対言えない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 748人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
SugerSalt - 続編みたいのでガンバってください！ (2016年8月22日 0時) (
レス) id: 2ff656da6b (このIDを非表示/違反報告)
高橋悠花(プロフ) - すごく面白かったです！続編みたいです！ (2015年8月15日 22時) (レス) id: 4b6cc4c3c1 (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷる(プロフ) - すごく面白かったです！続編読みたいです！！ (2015年8月12日 11時) (レス) id: e66fff8783 (このIDを非表示/違反報告)
ラブホリ王子様(プロフ) - 続編読みたいです！！よろしくおねがいします！ (2015年8月12日 7時) (レス) id: 931b342773 (このIDを非表示/違反報告)
あめ風(プロフ) - この作品すごくすきです！！続編みたいです！平野くんと百合ちゃんのお話もみたいです！！ (2015年8月12日 1時) (レス) id: 440484f21c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：永瀬 麗奈
| 作成日時：2015年5月29日 17時
