Marine １８ ページ27
「な、何笑ってんねん」
「だ、だって廉くんさっきから噛みすぎ…！」
「しょうがないやん！」
「緊張してるの？可愛い可愛い♪」
「〜〜〜〜〜っ！」
危うく頭を撫でられそうになったので必死に止める。
「仲いいわね〜」
その様子をお母さんがミラー越しに微笑ましそうに見る。
…いつになったら可愛い卒業出来るんかな。
そんなこんなで、車は渋滞にハマってしまった。
「最悪。あと少しで着くのに。」
相変わらず車内には明るい洋楽が流れている。
先には長い長い車の列。
「ん……」
そして俺の肩には頭を乗っけて眠る麗奈。
至近距離から香るシャンプーの匂いにさっきからドキドキ。
「永瀬くんさ、麗奈の前のこと知ってる？」
「えっ」
いきなりふられた話題に、心臓が跳ねる。
『前のこと』
普段鈍いと言われる俺でもわかる。
きっと、あのことだ。
「…はい、一応…」
車がゆっくりと少しだけ進む。
いまだに緊張が解けない俺は、本日二本目の水を飲む。
「そかそか。
もーね、大変だったのよ。
別れた次の日から朝ごはんも夕飯も食べなくて。
お昼もお弁当は全く食べてないし。」
別れた次の日。
俺はあの時のことを思い出す。
忘れもしない雨の日、びしょ濡れで麗奈が突っ立っていて。
「帰ってからすぐ自分の部屋引きこもっちゃって。
でもある日突然変わったのよね。
あれって、永瀬くんに出会ったからだったのね」
ふふ、と嬉しそうにお母さんが笑う。
「永瀬くんと付き合ってから麗奈毎日楽しそうなの。
デートの日なんて前日の夜あーでもないこーでもないって大変なのよ…今日も。
本当、永瀬くんにはお礼言いたかったのよね〜」
ーいつの間にか渋滞を抜け出し、走り出す車。
なぜか。
なぜか思い切り、麗奈を抱きしめたい衝動。
そっと無防備な手を、繋ぐ。
「いえ…俺こそお礼言いたいです」
「これからも、麗奈のことよろしくね♪」
「はい、もちろんです」
ー気持ちよさそうな寝息を立てている麗奈をチラリと見る。
どうしようもない愛しさと、好きが溢れて。
キスしたい思いをグッと堪らえる。
…やっぱりめっちゃ可愛ええ。
心の中で、呟いた。
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SugerSalt - 続編みたいのでガンバってください！ (2016年8月22日 0時) (
レス) id: 2ff656da6b (このIDを非表示/違反報告)
高橋悠花(プロフ) - すごく面白かったです！続編みたいです！ (2015年8月15日 22時) (レス) id: 4b6cc4c3c1 (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷる(プロフ) - すごく面白かったです！続編読みたいです！！ (2015年8月12日 11時) (レス) id: e66fff8783 (このIDを非表示/違反報告)
ラブホリ王子様(プロフ) - 続編読みたいです！！よろしくおねがいします！ (2015年8月12日 7時) (レス) id: 931b342773 (このIDを非表示/違反報告)
あめ風(プロフ) - この作品すごくすきです！！続編みたいです！平野くんと百合ちゃんのお話もみたいです！！ (2015年8月12日 1時) (レス) id: 440484f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：永瀬 麗奈
| 作成日時：2015年5月29日 17時
