忘れな草の恋 30

30-10 ぶっ飛ばーす！ ページ10

■ KyuHyun ■

気を取り直して普通の話をしながら酒を飲んでいたが、俺としては早く曲の事について話したくなった。

その前に…自分が訊きたい事は訊いておこうと意を決して、今は裂けるﾁｰｽﾞを一生懸命裂いているAの名を呼んだ。

A「ん？はい。上手い具合に裂けたよ」

裂け方に上手いや下手があるのか、と突っこみたい場面だったが、あまりにも嬉しそうに笑っているからありがたく頂戴する事にした。

ｷｭﾋｮﾝ「うん、美味い。ところでさ、あの…訊きたい事があるんだけど」

A「あ、あれの事？うんうん、何々？」

この人もずっと待ち侘びていたのかも知れない、と思わせるほどの食い付きようだった。

ﾎﾟｹｯﾄから携帯を取り出し例の画像を表示させる。本来ならば待ち受けにしたいくらいの……可愛いAの寝顔写真だ。

ｷｭﾋｮﾝ「これなんだけど…」

Aは俺が差し出した携帯を受け取るなり、少し固まって……ブッサ！と声を上げた。

多分日本語だとは思うけど――。

ｷｭﾋｮﾝ「今何て言った？」

A「え？あ、ごめん！不細工だって言った」

ｷｭﾋｮﾝ「はい？何言ってんの！めっちゃ可愛いよ！」

途端にAは恥ずかしそうにしながら顔を伏せ、自分が言った言葉を理解してこっちまで照れてしまう。

ｷｭﾋｮﾝ「ぃや…うん。本当に可愛い」

A「も…ぉ。可愛くないから。恥ずかしいからいいってば」

照れ合いっこしている時間も愛おしいもので、このまま後数回“可愛い”・“可愛いくない”のやり取りを繰り返してやろうかとも思った。

…が、Aに本気で嫌がられる前に自分を抑えるのも大切だと思う。

ｷｭﾋｮﾝ「A、顔上げて？俺はこれについて聞きたかったんだ。これはどこで寝たわけ？」

A「え？これって寝てるの？あぁ、なるほどね。だからこんなﾌﾞｽなのか。ていうか…寝てる写真をいつ撮ったの？」

Aは普通に首を傾げただけだったが、何か変態だと思われてるんじゃないかと妙にﾄﾞｷﾄﾞｷする。

ｷｭﾋｮﾝ「俺じゃないって！ﾁｬﾝﾐﾝが送って来たんだから！」

A「……ぁあっ！ﾁｬﾝﾐﾝってば…もしかしてあの時撮ってたの？ヤダ…もう…」

照れた様に両頬を押えるAを見ていて、ヤダって言いたいのは俺の方だと言いたくなった。

俺と照れ合いっこした後に他の男を思い出して照れないでくれ。

とりあえず今の段階では、ﾁｬﾝﾐﾝぶっ飛ばーす！の心持ちでいますよ。

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