忘れな草の恋 30

30-09 今はやめてよ。 ページ9

■ DongHae ■

俺は意見が欲しいのに……そう思っていた時、ｳﾆｮｸがそもそもお前が友達になってと言ったんじゃないか、と言って来た。

俺の親友はどこまで容赦なく意地悪な事を言って来るんだろう。

それは…まだ自分の気持ちに気づいていない時だったし、お前に対しての遠慮もあったからなのに。

ｼｮｯｸで…、口を開けば涙が出る予感がしてひたすら口を結んだ。

すると見兼ねたのかｲﾄｩｸ兄さんが、それはまだ気持ちに気づいていない時の事なんだから言わなくても良いだろう、と代わりに訴えてくれた。

ｳﾆｮｸ「別に前を云々言ってるわけじゃないよ。大体の人が最初は友達から入るんだから。僕や兄さんだってそうだったじゃないか」

ｲﾄｩｸ「そうだけど…」

ｳﾆｮｸ「ただ僕が言いたいのはそれがﾄﾞﾝﾍが手にしたﾁｬﾝｽだったって事。普通に考えてみてよ。友達から入れば近づき易いでしょ？」

ｲﾄｩｸ「うん、そうなんだけど……好きな人に友達だって言われたらｼｮｯｸを受けるよ……」

ｿﾝﾐﾝ「僕なら受けない！相手がAならｼｮｯｸじゃない！」

突然口を挟んで来たｿﾝﾐﾝ兄さんだったが、ｳﾆｮｸは邪魔しないでよと顔をしかめるどころか、自分の想いを理解してくれる人がいたのが嬉しかったのか笑顔を浮かべた。

ｳﾆｮｸ「他の人ならそこで終るかもね。でもきっとAにとったら友達という関係性は線引きじゃない。僕なら…内側に入れて貰えたって喜んだと思う。だって求めて貰えてるんだもん。ね？」

ｳﾆｮｸがそう問い掛けると、ｿﾝﾐﾝ兄さんはﾆｺﾆｺと微笑みながらこれでもかって言うくらいに頷いた。

ｳﾆｮｸ「それなのにお前は求めないでくれと言った」

ｳﾆｮｸがそう言った途端にﾋﾁｮﾙ兄さんが、「あぁ…それでだな」と声を漏らして頷いた。

するとｲｪｿﾝ兄さんも同調する様に頷き、外野側のｿﾝﾐﾝ兄さんも「それだ！」と声を上げた。

俺は兄さん達にも言いたいんだ。

いつも俺よりも先に色んな事を理解してくれて、聞けばちゃんと説明してくれる兄さん達には凄く感謝してる。

だけど、今はやめてよ。それでだな、とか、それだ、とか言われても俺は分からなくてただ苦しくなるだけだから。

理解力がなさ過ぎる自分が余計に嫌になる。

ﾄﾞﾝﾍ「言ったよ？言ったけど何？ごめん…ちゃんと俺に分かるように説明してよ」

こうして何でも尋ねなきゃ頭が追い付かないなんて……本当に情けないよ。

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