忘れな草の恋 30

30-06 愛しのど天然ちゃん ページ6

■ KyuHyun ■

俺も一応男の端くれで、好きな女に無理させてまで自分を優先させようとは思わない。

ｷｭﾋｮﾝ「体調は？どう？眠くない？疲れてない？ちゃんと本当の事言ってくれよ？無理して飲まなくて良いからな？」

思いついた言葉を手あたり次第に言ったら、Aが小さく噴き出した。

A「心配してくれてありがとう。でも大丈夫。ｷｭﾋｮﾝの方こそ大丈夫？……腰とか」

余計な言葉を付け加えて来るから今度は俺が噴き出してしまった。

ｷｭﾋｮﾝ「全然大丈夫だし！それに今凄く楽しいし俺は平気だけど、Aが疲れてるなら帰ろっか」

本気で思った。冗談めかしていたけど、この人が自分の事より本気で俺の心配をしてくれてるのが…何か伝わって来たから。

A「私も楽しい！それに宴会始めたばかりだよ？ｷｭﾋｮﾝが良いならもう少しいよう？」

ｷｭﾋｮﾝ「無理してない？」

A「してない。今回はちゃんとｷｭﾋｮﾝを誘ったつもりです…」

ｴﾍﾍ…と照れ笑いを浮かべるAにｷｭﾝｷｭﾝする俺の心臓。その高鳴りに促されて迷わず携帯をﾎﾟｹｯﾄにしまった。

ｲﾄｩｸ兄さん、すみません。好きな女に誘われて断る男がいるとしたら、俺…それはただのバカだと思うんですよ。

ｷｭﾋｮﾝ「…じゃぁ、もう少し付き合って」

しかし、この人ってヤツは…。それもどうせ、ど天然なんだろう。

その天然っぷりに小悪魔要素が含まれている事に気づいているんだろうか。

ﾁｬﾝﾐﾝ…、確かに間違いなくこの人はﾓﾃ女だと思うよ。だって全くわざとらしくないし、嘘くさくない。

そりゃそうだ。疑り深い俺やお前、それからﾋﾁｮﾙ兄さんが気に入ってんだもんな。

でも俺としては少しくらい計算して欲しいなとも思ってしまう。そしたら俺も男として見られてる気がするのに。

……やばいやばい。また焦りが出てしまってる。

ｷｭﾋｮﾝ「なぁ、A。ちょっと俺に焦るなって言ってくれない？」

Aはあからさまに首を傾げて目をﾊﾟﾁｸﾘと瞬かせたが、すぐに頭の位置を元に戻し、

「ｷｭﾋｮﾝ…焦らないで？大丈夫だから」

そう言って目を細めて優しく微笑んだ。

…のは良いけど声が…えらく大人びていたと言うか、お姉さんみたいにふんわりした声を出すから……照れた。

そのせいでAは言うまでもなく間抜け面だ。

ﾘｮｳｸ！俺はゲスい想像はしてないからな！ただちょっと照れただけだからな！

愛しのど天然ちゃんめ…やはり恨めしい。

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