忘れな草の恋 30

30-37 ｲｪｿﾝの呟き ページ37

■ HeeChul ■

ｳﾆｮｸよ…自分のケツくらい自分で拭けっつってんだろうが。

究極に面倒だったが、多分ｳﾆｮｸもこれ以上は長引かせたくないんだと判断し、助けてやる事にした。

ｲﾄｩｸ「でも……」

ﾄｩｷﾞが戸惑うようにして呟くから、これまた面倒くさいなと思ったらｶﾝｲﾝが「でもじゃねーよ」と口を挟んで来た。

ｶﾝｲﾝ「確かにそっちが優先だろ？普段は奥手なｷｭﾋｮﾝも送り狼になるかもな…。酒も抜けたかどうか分かんねーし、ﾊﾑﾊﾑ事件が増えない内に早くしろよ」

さっそくﾈﾀとして扱われているが、ﾄﾞﾝﾍの中ではまだ未解決事件なだけあって大打撃を受けたようだ。

胸を押えながら背中を丸め、その背中を摩りながらﾄｩｷﾞがそれはないだろうと主張した。

ｼﾝﾄﾞﾝ「あのさ…ｲﾄｩｸ兄さん、ﾏﾝﾈも一応兄さん達のﾗｲﾊﾞﾙだから…ない事はないと思うよ」

眠そうにしながらもさっきから的を得た事ばかりを言うｼﾝﾄﾞﾝのｺﾒﾝﾄには、ﾄｩｷﾞもｳﾆｮｸもﾄﾞｷﾘとさせられたようだ。

ｳﾆｮｸ「あ、ｲﾄｩｸ兄さん！急いで！あいつ前科持ち！」

ｳﾆｮｸが自分の鎖骨辺りを人差し指で刺した途端に、ﾄｩｷﾞは顔色を変えて早々と立ち上がったが、周りのやつらは前科持ちについて興味を持った。

もちろん俺もその中の一人で、どういう事だと聞くとﾄｩｷﾞは逃げるようにしてｷｯﾁﾝに向かった。

ｿﾝﾐﾝ「そうだよね！ﾄﾞﾝﾍだけ嫌われるって事は絶対にないよ！だから元気出して？」

ﾘｮｳｸ「そっか。そうだね。ちゃんと考えて誤解を解いて謝れば、きっとすぐに仲直り出来るよ！」

ﾆｺﾆｺと微笑む二人に慰められてﾄﾞﾝﾍは復活し、しきりに頷いているが……という事はお前らも前科持ちについて知ってるわけか。

ﾊﾝｷﾞｮﾝ「ｷｭﾋｮﾝの前科って何？」

ﾊﾝｷﾞｮﾝがもっと上のﾆｺﾆｺした顔で尋ねると、乙女達はたじたじと焦り出した。

隣でぼそり…とｲｪｿﾝが呟くから、思わず振り向いてしまった。

幸いﾄﾞﾝﾍには聴こえてなかったようだが、俺の耳が確かなら今――、

“そうだと良いが…難しいかもな”…ｲｪｿﾝはそう言った。

そしてまた俺の目をしっかり見て何かを訴えて来る。

お前…やっぱりさっき言ったのは誤魔化してたんだな？つまり難しいかもと思う根拠があるんだな？

んじゃ…何でﾄﾞﾝﾍにちゃんと話してやらない？

お前、そう言えば失敗したって呟いてたな。

一体……脱衣所で何があった？

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