忘れな草の恋 30

30-31 特殊 ページ31

■ DongHae ■

どうしよう…嫌われちゃったんじゃないか―。

せっかくｳﾆｮｸが色々と意見をくれたのに、結局俺はそれだけになって、そうなると落ち込んだ場所から這い上がれなくなった。

名前を呼ばれて激しく身体を揺らされても、呼ばないでくれと思った。

だって俺が悪いんだから。またそう言われて追い打ちを掛けられるだけだ―。

大事な事を沢山聞いたはずなのに、そんな事しか頭に残せないバカな自分が情けなくて謝る事しか出来なかった。

そんな俺に謝らなくて良いと言ってくれたｲｪｿﾝ兄さん、お前のバカは和むと言って同じ様に頭を撫でてくれるｳﾆｮｸ。

俺の肩を優しく抱いてくれているｲﾄｩｸ兄さん、冗談で場を和ませてくれるﾋﾁｮﾙ兄さん。

他の皆も穏やかな雰囲気を作り出してくれる。

そんな皆が手を貸してくれて、俺はまた背中に力を込める事が出来た。

ﾄﾞﾝﾍ「…ごめん。皆ありがとう」

微笑んでくれる皆にﾆｺﾘと笑顔を返して、また流してしまった無駄な涙を拭いた。

ﾄﾞﾝﾍ「つまり…Aは俺くらいバカって事で……あ、分かった！もしかしたらAも俺に嫌われたんじゃないかって思ってる…のかな？」

すぐ傍にいるｳﾆｮｸやﾋﾁｮﾙ兄さんやｲｪｿﾝ兄さんが頷く。

ﾄﾞﾝﾍ「嘘！こんなに好きなのに！あ、俺が求めないでって言ったから…それが誤解？しかも脱衣所に残して来ちゃったから余計に？」

今度は皆が頷き、だからそう言っているだろう、と呆れられてしまった。

ﾄﾞﾝﾍ「どうしよ…ｲｪｿﾝ兄さん！Aの様子どうだった？」

食い入るようにして尋ねているのに、ｲｪｿﾝ兄さんの口からは声が出て来ない。

ﾄﾞﾝﾍ「え？聴こえてる？」

ｲｪｿﾝ「……おお、すまん。脳が理解するのに時間が掛かって…声を作り出すのにまた時間が掛かってしまったんだ。だが病気ではないから安心してくれ。俺の身体は少し変わっているのかも知れない」

ﾄﾞﾝﾍ「…ん？えっと…ん？どういう事？これって俺がバカなせい？」

皆に意見を求めると皆はこぞって首を振り、ｶﾝｲﾝ兄さんが「お前じゃなくあいつがバカなせいだ」とｲｪｿﾝ兄さんを指差した。

ｲｪｿﾝ「何がバカだ！特殊だと言え！このバカ者！」

ｶﾝｲﾝ「はぁ〜？話が噛み合わないお前にバカって言われたくねーな！」

何だか子供同士の言い争いが勃発してしまった。

ｲｪｿﾝ兄さん…俺の脳もかなり特殊なんだよ。

その脳が今良い具合に働いてくれてる内に教えて…。

30-32 今日はこれで良い。→←30-30 変わった遊び。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す