忘れな草の恋 30

30-20 ラブフィルター ページ20

■ RyeoWook ■

ｲｪｿﾝ兄さんの珍発言に答えを出したｼﾝﾄﾞﾝ兄さんは眠気眼をこじ開けようと頑張りながら、何かをもにょもにょ言っている。

そしてｲｪｿﾝ兄さんも、正解を出しても上手く説明出来ないみたいでぐずぐずしている。

………正解の意味ない。

それで今度も仕方なくﾋﾁｮﾙ兄さんが口を開いたが、要はﾋﾁｮﾙ兄さん達が話す事で周りの僕らが影響を受けるんじゃないか、という心配をしていたようだ。

ﾋﾁｮﾙ「目の前に余計なﾌｨﾙﾀｰが掛かってるやつなら余計にな」

ｳﾆｮｸ「余計なﾌｨﾙﾀｰって何？」

ｳﾆｮｸ兄さんが疑問に思うように、僕も何の事だろうと考えていたら、隣でｿﾝﾐﾝ兄さんが「ﾗﾌﾞﾌｨﾙﾀｰじゃない？」と言った。

ｿﾝﾐﾝ「恋愛感情があると、何か変に考え込んでしまうでしょ？例を一つ挙げるなら、んー…ｳﾆｮｸの得意なﾔｷﾓﾁ？」

ｿﾝﾐﾝ兄さんが片方の肩を竦めて顔に可愛らしい笑顔を貼り付けると、ｳﾆｮｸ兄さんは気まずそうに苦笑を浮かべたが、納得も行った様で頷いていた。

しかし…ﾄﾞﾘｰﾑﾎﾞｰｲ化現象といい、今のﾗﾌﾞﾌｨﾙﾀｰといい。よく咄嗟に何となく可愛らしく聴こえる表現方法を思いつくもんだ。

ﾄﾞﾘｰﾑﾎﾞｰｲなんてただの妄想男子だし、ﾗﾌﾞﾌｨﾙﾀｰは色眼鏡って事でしょ？

僕も使わせて貰うね。そっちの方が可愛いから。

ｳﾆｮｸ「でも兄さん達が話してくれる事は凄く身になるものばかりだよ？」

ﾋﾁｮﾙ「お前にはそうかも知れないが、全員が全員良い風に捉えるかは分からない。俺が思っている事を話す事で、Aに悪印象を抱くやつがいるかも知れない」

ｼﾝﾄﾞﾝ「あぁ…うん。ﾋﾁｮﾙ兄さんの言ってる事…少し分かる…かも」

相変わらず眠そうにしているけれど、一生懸命瞬きを繰り返しながらｼﾝﾄﾞﾝ兄さんがそう言った。

皆驚いていたけど、ｿﾝﾐﾝ兄さんが一番の驚きを見せた。

ｿﾝﾐﾝ「ちょっと！本気で分かるって言うなら幾らお前でも許せないかもだよ！お前には一体どんなﾌｨﾙﾀｰが掛かってるんだよ！ｸﾘｱな視界で見て！可愛いから！」

いつもならぷっくりと頬を膨らませたりするけれどそれもなく、本気で腹を立てているようだ。

でも…可愛いとか云々の話ではないと思うんだけど。

ｿﾝﾐﾝ兄さんにも掛かってたりしてね。ﾗﾌﾞﾌｨﾙﾀｰ。

うーん…もうあれかな。僕達ってさ、Aが相手だと皆何かしらのﾌｨﾙﾀｰが掛かっちゃうのかもね。

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