忘れな草の恋 30

30-19 なぞなぞの答え ページ19

■ LeeTeuk ■

苛々してはいけないと思うけど、今のﾋﾁｮﾙのせせら笑いは完全に僕を馬鹿にしていた。

ﾋﾁｮﾙ「そりゃお前、自分の心配だろ？Aの心配じゃない」

ｶﾝｲﾝ「今のはそうだな」

いつもは味方をしてくれるはずのｶﾝｲﾝが、ちっとも僕の肩を持ってくれないから、さすがに泣いてしまいそうだよ…。

ｶﾝｲﾝ「今のは言い方を変えれば、傷つけてしまってたらどうしようっていうﾄｩｷﾞ兄自身の心配だろ？」

確かにそうだな、と気づいてしまえば途端に自分が情けなくて余計に落ち込んでしまいそうになる。

そんな僕を見てｶﾝｲﾝは、まったくしょうがねーなぁ、と困ったように眉を下げた。

そうしてﾋﾁｮﾙは今の事を訊いているんだと言う。

ｶﾝｲﾝ「ｳﾆｮｸの話聞いてたろ？ﾄﾞﾝﾍは落ち込んでる。なら、言い方は悪いが勘違いしてるAも落ち込んでんじゃないかって心配しなきゃだろ」

ｶﾝｲﾝはﾋﾁｮﾙみたいに嘲笑いはしなかったけれど、今度は思い切り呆れたように苦笑を浮かべた。

僕に何かを言う事が出来るはずもなく。ただ少しだけｳﾆｮｸの言った無駄な涙の意味を理解出来た気がした。

頭の整理がつかないなんてただの言い訳だ。

ｳﾆｮｸの話を聞きたがったのは僕なのに、きっと素直に聞く事が出来てなかったからだと思う。

しっかりと話を聞いて素直に受け止めれば、目の前のﾄﾞﾝﾍの事だけじゃなくてAの事も考えれたはずだ。

ﾋﾁｮﾙ「別に自分の心配をするのが悪いとは言ってない。むしろお前の場合は良い」

ｲﾄｩｸ「……でもさっきバカにした」

すっかりいじけてしまった子供の様な口調で言ってしまった。

ﾋﾁｮﾙ「したな。さっきのは質問の答えにそぐわなかったからな」

ｶﾝｲﾝ「ﾋﾁｮﾙ兄だって質問にそぐわない回答しただろ。分かり易く言ってって言ってんのに。そりゃﾄｩｷﾞ兄だって苛々するわな？」

ｶﾝｲﾝはﾆｶｯと笑ったが、ﾋﾁｮﾙが睨むと誤魔化し笑いへと変化を遂げた。

ｶﾝｲﾝ「だってよぉ、ｲｪｿﾝも意味分かんねーし」

そしてｲｪｿﾝに罪を擦り付けると言う行動に出た。

「んー…だから…鰯に牛耳られるなよって事…なんじゃないの？」

突然別の声が入り込んで来た。その正体は今にも寝てしまいそうなｼﾝﾄﾞﾝの声だった。

ｳﾆｮｸ「え？僕？ていうか寝言？」

ｲｪｿﾝ「いや、正解だ」

どうやらｼﾝﾄﾞﾝはｲｪｿﾝの出したなぞなぞの答えを見つけたようだ。

30-20 ラブフィルター→←30-18 ｿﾝﾐﾝの心の中

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す