花魁の小太刀【刀剣乱舞】

14 何を思う ページ16

(満side)


目を閉じると夢が甦る。

暗闇に目を凝らすとぼんやりと見えてくるようだ。

視界を走る白と赤…。


あの夢はきっと私を戒めているんだろう。

自分の罪を忘れるな、と。

お前は穢れた存在だ、
清らかな世界で生きてはならないのだ、と。


(駄目だ、気が滅入る。)


このまま目を閉じてもう一度眠ろうとしても眠れないのは明白だ。

よし、何かしよう。


音を立てないようにそっと片付けをする。

と、言ってもお皿を動かすとうるさくなるので


日本号様の手から空の酒瓶を取ったり

加州清光様が握っていた箸を取ったり

今剣様の上から岩融様の手を退けたり
↑(今剣様が潰れてました)

審神者様がかけていた鼻眼鏡を取ったり…


その後、部屋の角に積んであった薄い布団を全員にかけてまわった。


(これでよし、っと)


ふと縁側の方を見た。

月明かりに照らされる人影がある。

手に盃を持って遠くを眺めている。

そして時折、ゆっくりと盃を傾ける。


その瞳は古き記憶を懐かしむようで、
そのしぐさからは色香すら漂ってみえる。


彼は何を思って、月夜を眺めているのだろうか。


…あの様子だと、まだ呑むだろうな。


机の上に置いてあった酒瓶を持って静かに縁側に近づいた。


「まだ、お飲みになりますか？」

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

色気が漂う、ってだけじゃヒントにならないですよね。

みんな色気あるもん。

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