10 語らう ページ11
(満side)
私は宗近さまの膝の間に収まったまま皆さまとお話をしていた。
皆さまお酒が入って頬を上気させている。
鶴「うん、満はそのぐらいがいい。他の者達にも、親しく話し掛ければいいんだぞ。」
満「はい。…でも、私のような下賤な刀がこんな風で良いのでしょうか。」
一「満。何で自分を下賤だ、などと蔑むのですか。」
いち兄さまに優しく諭されるように言われて視線を落とす。
満「私は名だたる名将の懐刀でも、数多くの傑作を残した刀鍛冶の刀でも、美しさを誇る天下の名刀でもございません。私を作ったのは下町の名も知らぬような刀鍛冶ですし、前の主は吉原の花魁でございます。」
満「本来ならば、このようなところに来れるような身分では無いのです。」
自分でも不思議なのだ。
どうして私のような刀が人の姿を授かることが出来たのか。
俯き、黙りこんでしまった私の頭の上に大きな手がぽんと乗った。
三「名声などは取るに足らないものだ。大切なのは、お主自身にどれだけの思いや歴史が刻まれているか、だろう?」
思い、か。
鶴「良い機会だ!お前について教えてくれ!」
満「…私について、ですか。」
皆頷いて、私を見ていた。
他の刀剣の方々も聞き耳を立てているようだ。
酒の肴程度にはなるだろうか…。
遥か昔の記憶を呼び起こす。
遠い遠い記憶。父と娘の哀しくも優しい記憶。
少し物語を致しましょうか。
宗近さまの膝から降りて、すぅ…と息を吸った。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
不定期のつもりだったのに、ハマってしまってハイペースf(^^;
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きいろ(プロフ) - 菜姫さん» 刀剣同士では敬語外れるかなーと思っていたのですが、コメント頂いて敬語かもしれないと思いました。変えてきます! (2017年8月19日 14時) (レス) id: 187d5dfbfd (このIDを非表示/違反報告)
菜姫(プロフ) - 太郎太刀は敬語で話すキャラだと思います。 (2017年8月15日 19時) (レス) id: 89a527d627 (このIDを非表示/違反報告)
きいろ(プロフ) - Rakuruさん» ごめんなさい! (2017年7月8日 8時) (レス) id: 187d5dfbfd (このIDを非表示/違反報告)
Rakuru(プロフ) - 太郎太刀の性格違いすぎませんか? (2017年7月8日 0時) (レス) id: 1125d1a0eb (このIDを非表示/違反報告)
きいろ(プロフ) - 椏羽さん» 結界師で通じた!!嬉しいです!楽しんで下さってありがとうございます! (2017年7月2日 15時) (レス) id: 187d5dfbfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きいろ | 作成日時:2017年6月17日 21時