助け ページ25
ぼやけていた視界が鮮明に見え始めた時、そこがどこなのか私には判断することが出来なかった
やけに高い壁がずっと続く道
どこかに交番などはないかと探してみるが歩いても歩いてもその壁が途切れることは無かった
もう終わりなんだ
頼るあてもなにもない私はその場に横になった
肌に触れる冷たいアスファルトに汚いかなと思いつつも心地良さを覚え意識を手放した
「…ちゃん……だから……」
誰かの話し声が聞こえる
しかし覚醒しきらない頭ではその話を集中して聞くことは出来ず、内容なんて頭に入らなかった
何とか瞼に力を入れ、目を開く
「あ、起きた？」
目に映る姿ははっきりとしない物だった
しかし、声からして埴之塚先輩なのかと予想した
「なんで……埴之塚先輩が？」
いつもならスラスラいるはずの言葉が今日はなかなか言えなかった
喉に違和感を覚えると共に、耳に響く自分の声がいつもよりだいぶかすれていることに気づいた
「Aちゃん倒れてたんだよ崇がみつけて教えてくれたの」
「そうなんですか…それはご迷惑をおかけしました」
どうやら寝かされているらしい私は体を起こし立ち上がる
がすぐに自分の体重を支えられなくなり、埴之塚先輩のほうへと倒れこむ
「無理に動かないほうがいいよ熱もあるみたいだし」
小さな見た目に似合わない力で体を支えられる
どうりでさっきから頭が痛いわけだ
「まぁ今はとにかく寝て熱下げよ？」
そういって埴之塚先輩は再び私をベットに寝かせ、冷たくて気持ちいい手で頭をなでてくれた
また目が覚めた時には部屋には誰もおらず、少し薄暗い部屋の中にいた
体を起こし、自分のおでこに触れてみる
まったく熱くなかったので熱は下がったのだろう
ただ頭は少しだけくらくらする寝すぎたのだろうか
「Aちゃんはいるよ〜」
埴之塚先輩の声がし、障子が開く音がした
「あ、起きてたんだおかゆ作ってもらったんだけど食べれそう？」
「わざわざすみませんいただけるとありがたいです」
埴之塚先輩に持ってきてもらったおかゆを食べる
「もう体調は大丈夫そう？」
「はい、おかげさまで」
「ちょっとごめんね」
そういって伸ばされた手は私のおでこへと到着した
「うん熱も下がってるね」
「ホントにありがとうございました」
「ところでねAちゃん」
おかゆも食べ終わったころ埴之塚先輩は私に言った
「かおちゃんとなんかあったでしょ」
探るような眼はもう答えが出ているように見えた
- 金 運: ★☆☆☆☆
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今田海(プロフ) - 皆様応援のコメントありがとうございます！また、お待たせして申し訳ありません！もう少しで完結予定なのでさいごまでつきあってくださいｗ (2022年1月9日 21時) (
レス) id: 18f85643d8 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - 勉強頑張って下さいね‼︎応援してます！ (2022年1月9日 15時) (レス) @page39 id: 14c6c9d1aa (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしています！ (2022年1月6日 19時) (レス) @page37 id: 067dc39dbf (このIDを非表示/違反報告)
なな - 更新が楽しみです。 勉強頑張って下さい。 (2021年12月18日 22時) (レス) @page38 id: 0c7821053f (このIDを非表示/違反報告)
稔(プロフ) - 結ばれてくれ……(´；ω；｀) (2021年9月10日 2時) (レス) id: 42f497df3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：今田海 | 作成日時：2020年10月20日 6時
