金が無くても戦はできる！【浦島坂田船】

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Aside


皆さん、私の前に座っている成人男性をご覧ください。


すごい勢いでハンバーグを食しております。


美味しいのか、時おり見せる笑顔が子供みたいでかわいいですね。。



……お腹空いてるならもっといっぱい入ってるの食べたらいいのになぁ



「志麻さん」


無言で食べ続けるのもなぁ…と思って声をかける。


「ん？」


返事はするけど目は合わせてくれない。

無言で食べ続けている。


もしかして私、志麻さんを怒らせた？


恐る恐る聞いてみる。


「私、何かしまし、た……？」

「えっ、」


あ、こっち見てくれた。


「……？何もしてないけど」


その言葉に安堵する。


「なら、よかったです！ずっと無言で目も合わせてくれなかったから私が怒らせちゃったのかと……」



「えぇっ！！それはごめんな。ちょっとセンラが羨ましかっただけで、Aちゃんは無罪やで」



あぁ、CDのことかぁ。


そういえば、まだ浦島坂田船の曲、一個も知らない。


友達からは“ネットで調べたらたくさん出てくる”って言われたけど、趣味であのパソコン使うにはあまりに古すぎるし、電気代とか少しでも増えちゃうし……。



「実は、CDもらったんですけど、再生する機械がなくって、一回も聴けてないんです」


センラさんがわざわざ無料でくれたのに、、なんか申し訳ない。



「それにうちん家貧乏で、パソコンも一台あるけど好きなことには使えなくって、浦島坂田船の曲も全然知らなくって……だから、」



志麻さんは食べ終わったのかフォークを置いた。


「良ければ、歌ってもらえませんか…」



言った後で無茶なお願いをしてることに気づく。


「ん〜、でもここファミレスやしなぁ」

「ですよねぇ。今のお願い忘れてください」


すると志麻さんがグッと近づく。


イケメンが視界いっぱいに……



「ちょいと失礼」


そう言って耳になにか付けられる……イヤホン？



「どう。聴こえる？」

「聴こえます……ありがとうございます！！」



イヤホンから流れる曲。

志麻さんのスマホから曲を流してもらってるみたい。


スマホと繋がってないのに音が聴こえる。すごいなワイヤレスイヤホン。



「……あの、これなんていう曲なんですか」


「Shout�rって曲。ほれ」


スマホを渡してくれた。



……すごい、動画の絵と動きと、、歌声だけじゃないんだ。


動画でひとつになってるんだ……！！

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