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志麻side


「ハンバーグにします……」


そう言ってメニューを指差す。

中にチーズが入っているわけでも、ウインナーがついているわけでもない。


いたって普通のハンバーグ。

それを選んだだけなのに、なんだか可愛らしく思えた。



「し、志麻さんは何にするんですか」


……そんな顔されたら、もうこれしか選択肢ないやん。


「俺もハンバーグにするわ」



それから店員さんを呼び注文を終えた。


質問するならいま。


「Aちゃんは何人家族なん?」


単純に知りたかった。


「……えーっと、家出したお姉ちゃんも入れて、、6人ですね。父は2年前亡くなりました」


相変わらずかわいい顔でニコニコしてる。


妙な気分や。

お父さんは亡くなったって笑顔で言うなんて。


本人はきっと気づいてないんやろうな。


「田辺さん、知っとるやろ?その人から聞いたんだけど、缶バッチ買ってくれたのは……なんで?」


「えっ、田辺さんと知り合いなんですか……!?」


質問を質問で返すな!って普段なら言うけど、今日は許したる。


「田辺さんは、浦島坂田船を昔から応援してくれてるファンの一人で、ライブとかイベントとかよく来てくれるんだ」


田辺さんはちょっと老けて見えるけど、今年で32歳。あと、絵がメッチャ上手い。


「それであんなに詳しかったのか……。
…あっ!私が缶バッチを買った理由は、
バイトしてるときに会場から少し漏れて聞こえる歌がよかったのと、え、MC?とか面白くて……浦島坂田船のことを知りたいと思ったから、、です」



……Aちゃん緊張しとるんかな。

一気にペラペラと喋ったかと思えば、ふーっと大きく息をつく。



知りたいと思ってもらえて、嬉しいなぁ。

やっぱ、浦島坂田船はいいよなぁ。


「ありがと〜それは嬉しいわ。他のメンバーも喜ぶよ」


「へへっ…そうですかね。。あっ!!」



何か思いだしたのか目を大きく開ける。


「センラさん……!」


いや、俺は志麻。



「センラさんにCDもらったので、お礼しといてもらえますか」



……は、CD?



「え、いつもらったん?」


「実はセンラさんと母が同じ職場で……、」


おい、誰からも聞いてねぇぞそんな話。


「母は伝えてくれなさそうなので、お願いします」



……なぁセンラさん、抜け駆けは無しやない?

◆→←◆



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設定タグ:歌い手 , 浦島坂田船 , 小説   
作品ジャンル:恋愛
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さくらんぼ*(プロフ) - ストライクイーグルさん» ありがとうございます!!亀更新ですが頑張ります! (2020年5月7日 19時) (レス) id: 627c16f8f7 (このIDを非表示/違反報告)
ストライクイーグル - とても面白かったです! (2020年4月25日 20時) (レス) id: 322eccd283 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ*(プロフ) - 白夜ちんさん» ありがとうございます!頑張ります!!繋がり方は、、、楽しみにしてて下さい〜! (2018年7月21日 15時) (レス) id: 2f30becb61 (このIDを非表示/違反報告)
白夜ちん(プロフ) - すごく面白かったです!これから夢主ちゃんと浦島坂田船がどう繋がっていくのか気になります!これからも応援してます!頑張ってください (2018年7月21日 12時) (レス) id: 579a39ad7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくらんぼ* | 作成日時:2018年7月1日 21時

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