金が無くても戦はできる！【浦島坂田船】

◇ ページ28

Aside


今日はバイトの予定が入っていない。

そして母はいつも通り仕事。



つまり、


「はい、学校で足りない物とかある人言ってくださーい」


私が兄弟をまとめる係。


「コンパスと、のりと、鉛筆！それと、ゲーム欲しい！！」

「鉛筆とノート。あと絵の具セット買ってよーコイツと交代で使いたくない」

「あ、私は消しゴムがあればいいよ。できれば……服がちっちゃくなってきたから、服も欲しいけど」



皆の欲しいものをメモしていく。



「まず、ゲームは却下。絵の具は悪いないけど、二人で使って。服はお金が余ったら……ね」


一通り話すと、皆深いため息をつく。



貧乏だから、仕方ない。


ちなみに預かったお金は、1000円。


学校で足りないものは買えそうだけど、服は……無理かも。



小さいバッグにメモと財布を入れる。


「ご飯はそこにあるから、あと雨が降ったら洗濯物よろしく！街の方まで行くからちょっと遅くなるかも〜」


「うん。わかった」

「お金余ったらお菓子とか買ってきて！」


「い、いってきまーす」



ﾊﾞﾀﾝとドアを閉める。


雨が降ったら面倒なので歩いて行くことにした。


んん〜、暑い。


あっ、そういえば自分のお昼ご飯考えてなかった……


いま、10時半。一時間くらいで向こうに着くから……11時半か。


生憎、財布には母からの1000円と、150円のみ。



妹や弟は家で食べるのに私は外食というのもちょっとあれだしなぁ……。


今日はお昼ご飯抜きだわ。




・




一時間ほど歩いて、ようやく街に出た。


早く買って早く帰ろ……暑いわぁ。



すると、前を歩いている男性がなにかを落とした。



前の男性の肩を叩く。


「あの、これ落としましたよ」



早く買って早く帰る………はずだった。

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