足りない

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無事高校入学して、友達も出来て。



多分、今の私は充実して…







ない。









家に帰って1人なのは変わらないものの、



身の回りの環境が一気に変わって、振り回されているような気分だった








それに、3年間当たり前のように隣にいた彼もいなくなった。



いつも、彼の名前を呼びそうになって、いないんだ、と今更なことを繰り返すばかり。







やっぱり、彼がいないとダメなのかな、私







「わからん…！せ、っちゃう。ここ、教えてくんない？」







3年生の時、よく席が隣になっていたこともあって、隣の人を“誠司くん“と呼びそうになる



あーーー…






夢中で、頭を掻きむしる





＞「そこまで？」


「あ、いやそういう訳じゃないんだけど」


＞「ここは、こうやって、こうして…この公式を使って、こう解く。できたやろ？」


「すげー…」




なんかよくわかんない。けど、とりあえずすごいと言っておく。


悲しまれちゃ困る






って、こういう気遣いも彼といたせいだ。






彼なら、図を描いて教えてくれる。

2人で一緒に解いてた。




だから分かってたのにな








なんて、彼と比べたらきりがないのに






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