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12月。
冬休み直前にして、私は衝撃の事実を突きつけられた。
「もしもし?」
《…もしもし》
電話越しの第一声は、少し、暗い感じがした
ちょっとだけ、不安になる
「なんかあった?ちょっと変だけど」
《あのさ》
「うん」
何があるのかって、少し身構えする。
少しだけ沈黙が流れて、ごくり、と彼が唾を飲むのが聞こえた
《俺…っここ離れるねん》
寮制…ってことか?
寮制の高校に通うのかな
「寮制?んなら頑張れば会_」
《広島》
「え?」
頭を、鈍器で殴られたような、衝撃が走った。
広島。広、島…
頭が真っ白になっていく。
広島?そんなの会えないじゃん
《スポーツ推薦…》
彼にだけは、悲しんでるところなんて見せたくない。
そう思って、悲しんでることを表に見せないように、励ますような言葉を掛けた。
「推薦!?すごいやん!」
《すごい、けど…》
「誠司くんの才能だよ!」
《ま、まぁ…。ありが、と》
本当は、そんなこと思ってない。
行かないで、ただそれだけ。
なのに。
「すごいって!夢、叶えられるんやない?」
《…せやな》
「私、応援しとるよ」
《じゃあ、頑張るわ》
少しだけ、笑みが零れた感じがした。
「んじゃ、切るね。また今度!」
《おん、》
_ガチャ
受話器を置いたあと、私はその場に崩れ落ちた。
「なん、で…」
我慢していたからか、涙がポロポロとこぼれ落ちて止まらない。
「行かないで…っ」
震えて、声にならないぐらい、小さい
届くはずのない言葉達は、すぐそばに消えていった
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だらだらピカチュウ(プロフ) - 聖音美紅さん» ありがとうございます!一途のヒロイン結構大変でした、、、(笑)実はちょっとsideを変えて書こうかなぁとも思っていますが、長編は疲れてしまったのでしばらくはやめておこうと思ってます(^^;;また気が向いたら公開するかもしれないです(^-^) (2019年6月12日 23時) (レス) id: 24f53a6468 (このIDを非表示/違反報告)
聖音美紅(プロフ) - 全部読ませていただきました!!ずっと待っていたヒロイン一途でいいですね!もしよろしければ続編も期待しています! (2019年6月12日 22時) (レス) id: 8aec995585 (このIDを非表示/違反報告)
だらだらピカチュウ(プロフ) - ありがとうございます!面白いって言って貰えると更新する気も上がります♪続き楽しみにしててください! (2018年9月23日 20時) (レス) id: 8fd2671549 (このIDを非表示/違反報告)
イヅ(プロフ) - この小説面白い!更新頑張って下さい!! (2018年9月23日 20時) (レス) id: 0266ec0724 (このIDを非表示/違反報告)
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