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孤児院を出て、ケータイを取り出す
電話をかけると、すぐに電話は繋がった
『どうした』
暮人様の声だ
私は彼の声を聞いた後、言う
「百夜孤児院に行った。孤児院の子供が残した日記を見た。吸血鬼襲撃四日前に、他へ移転していた。もしかしたら、まだ《終わりのセラフ》の実験が……」
そこで暮人が言った
『渋谷にある百夜孤児院の情報は、俺のところにきた。子供はそこで皆殺しになり、放置されていたという報告を受けた』
「誰からの報告?」
『二医と九鬼の人間たちだ』
私はそれに、思わず溜息を吐いた
二医と九鬼は、柊家に仕える名家の中でも、かなり大きな勢力を持っているはずだ
彼らが《百夜教》に着いているとしたら、こちらは少し、不利になる
「そいつらが裏切っている可能性が高いね。孤児院は襲撃を受けていない。血の痕も、破壊された跡もなかった」
『ちっ……』
暮人の舌打ちが聞こえた
その後、彼は言った
『すぐに調べる。おまえは待機していろ』
「どこで」
『使者をやる。もう電話するな。もしこれが本当なら……』
盗聴されている
それは間違いなかった
だが、彼は言い切る前に、小さく息を吸った
「暮人様?」
『………』
「何かあった?」
すると暮人が答えた
『敵がきた』
「相手は」
それに、ひどく冷たい声で、暮人が言った
『……真昼が、二医の当主とともに、群勢を率いている』
「………」
私は衝撃のあまり、声も出せなかった
暮人が言う
『切るぞA。裏切り者を殺す』
「待って。私も加勢……」
だがそこで、ケータイが切れた
その切れたケータイを見つめる
そして、これからどう動くのが正しいのかを、考える
結局、《終わりのセラフ》の研究はまだ続いているようだ
おそらく、『帝ノ鬼』の内部も巻き込んで
今日はもう、十二月二十三日だ
もしも真昼の予言通りなら、この世界のタイムリミットはあと、二日しかない
どうやらいまだ、すべては真昼のコントロールの下で進んでいるようだった
何せ自分たちは今、どういう状況に置かれているのかすらわからない
こんな状態では、『帝ノ鬼』も危ない
誰が敵で、誰が味方か、それがわからない状態で混戦が始まる
ならその中で、自分はどうするのが正解か
そこで、背後から気配がした
振り向くとそこには、『帝ノ鬼』の戦闘服を着た男たちがいた
人数はざっと十人ほど
「……女一人にこの人数はないでしょ〜」
小さくそう呟いてから、私は溜息を吐いた
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もちもち - 伊鶴さん» コメントと応援ありがとうございます。これからも更新頑張ります！ (2017年2月18日 10時) (
レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
伊鶴 - このシリーズとても楽しく読ませていただいてます！！とっても面白くて大好きです！頑張って下さい！ (2017年2月16日 22時) (レス) id: b2da2b82b1 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち - ルカさん» ありがとうございます。そう言ってくださり、嬉しいです。更新頑張ります！！ (2017年1月5日 9時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - 遅くなってしまいました！ 続編おめでとうございます！ もちもちさんの秀才少女シリーズ大好きです。 これからもずっと応援しています！ (2017年1月5日 1時) (レス) id: afde7ff475 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち - 暁の雨さん» 今回もコメントありがとうございます！！更新頑張ります。 (2017年1月3日 12時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2017年1月2日 14時
