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十二月十二日
綿密な計画を立て、《百夜教》が《終わりのセラフ》の研究を行っている施設へと襲撃に向かった
《終わりのセラフ》の研究を行っているとされるのは、大きな場所で、日本だけでも八ヶ所あった
それを同時に潰す
そのための準備を、『帝ノ鬼』は半月かけて行っていた
私たちは埼玉にある、山林の奥に隠れて建てられていた研究所を、襲撃するはずだった
草むらに息を潜め、柊暮人率いる、《鬼呪》装備を身に纏った集団が二百人
襲撃の合図を待っていた
だが、彼らに襲撃の合図がくることはなかった
『帝ノ鬼』が襲う前に、別の組織に《百夜教》の研究所が襲われてしまったからだ
上空を数台のヘリが舞う
そのヘリから、いくつもの人影が降下し、次の瞬間、研究所のいたるところで爆発が起き始めた
隣にいた深夜が呟く
「いったい、何が起きた?」
わかるわけがなかった
襲撃直前の出来事
暮人が立ち上がり、私たちに待機を命じた
するとヘリから、こちら側にも誰かが降りてくる
どんっと、大きな音を立てて着地した
普通の人間では死ぬ高さだ
《鬼呪》を発動しても、足の骨は折れただろう
だが、落ちてきた者は、平然としていた
白い、見知らぬ戦争服を着た男だった
その目は赤く、口元には牙が生えている
「……また吸血鬼かぁ」
私は呻くように呟く
近くにいたグレンも同じ気持ちのようで、小さく溜息を吐いている
このところ、目の前には吸血鬼ばかりが現われるような気がする
《鬼呪》を手に入れて人間を超越する力を手に入れたのに、途端に、更に大きな力が目の前に現われるようになってしまった
ここで、吸血鬼の集団を敵に回してはいけない
目を付けられれば、一瞬で皆殺しだ
吸血鬼の男は、こちらに見向きもせずに言った
「……ムシケラども。おまえらは、なんだ」
暮人が答える
「俺たちは《百夜教》じゃない。《百夜教》を襲撃に来たんだ」
「目当ては《終わりのセラフ》か?」
「……そうだと答えたらどうする?」
「皆殺しだ」
暮人の背中が緊張したのがわかった
吸血鬼はどうやら、《終わりのセラフ》に関わる人間を殺しに来たらしい
研究所が爆発し、破壊されていく
中の人間も、研究も、燃えて灰になっていく
私はその光景を、ただ眺めていた
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もちもち - 伊鶴さん» コメントと応援ありがとうございます。これからも更新頑張ります！ (2017年2月18日 10時) (
レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
伊鶴 - このシリーズとても楽しく読ませていただいてます！！とっても面白くて大好きです！頑張って下さい！ (2017年2月16日 22時) (レス) id: b2da2b82b1 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち - ルカさん» ありがとうございます。そう言ってくださり、嬉しいです。更新頑張ります！！ (2017年1月5日 9時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - 遅くなってしまいました！ 続編おめでとうございます！ もちもちさんの秀才少女シリーズ大好きです。 これからもずっと応援しています！ (2017年1月5日 1時) (レス) id: afde7ff475 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち - 暁の雨さん» 今回もコメントありがとうございます！！更新頑張ります。 (2017年1月3日 12時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2017年1月2日 14時
