幽霊族の彼に一目惚れしたおはなし 2章

娘 ページ20

-さくらside-


母｢さくら｣

『うそ……お母さん…なの？』


言葉を続けたいが口がはくはくと動くだけで声が出ない

本当に母なのだろうか…
前にあった母の姿は空亡…つまりは偽物だった

今、私の目の前にいる母は本当に…


母｢ふふっ、びっくりさせちゃったわね…さくら、ただいま｣

ああ、今度は本当の

『お母さん…！』

母｢遅くなってごめんなさいね…｣


抱きつきわんわんと泣きじゃくる私の頭を撫でる手は酷く優しくて心がじんわりと暖かくなる


母｢ほらほら、そんなに泣くと目が腫れちゃうわよ？｣

『お母さんだって泣いてるくせに』

母｢当たり前じゃない、大切な一人娘がこんなに大きく成長してるんだもの｣


お母さんはふわりと笑いながら私の涙をすくう


「見ない間にこんなに綺麗になって…」

『お母さんの娘なんだから当たり前だよ、私はもう立派なレディーなの！』


たわいもない会話をし2人でくすくすと笑いあう

こんな日がまた来ることをずっと願っていたがまさか叶うなんて思ってもみなかった


母｢長い間1人で寂しい思いをさせちゃってごめんなさいね…｣

『いいの、ちゃんと帰ってきてくれたじゃない…それにねずっとひとりぼっちって訳じゃなかったんだよ…？』


そう、ずっとひとりぼっちではなかった

お母さんと同じくらい大切にしたいと思う人達がいるの
大切にしたいと思うもう1つの家族が


ぱっと振り向き、親子の時間を邪魔しまいと少し後ろで立っているゲゲ郎さん達と目を合わせた


To Be Continued-…

バレンタイン→←節分

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す