幽霊族の彼に一目惚れしたおはなし

夢 ページ18

-ゲゲ郎side-

？「あなた！あなたってば！！」

誰だ、何度もワシを呼ぶのは……

「んぅ……煩いのぉ……」

水木とだいぶ深酒をしたせいか、いまいち頭が冴えない


？「煩いじゃないわよ！あなたって人は……」

聞き覚えのある聞き覚えしかない声
ぼーっとしている意識が段々とはっきりとしてくる


「岩子……？岩子、なのか…？」

岩「そうよ？あら、忘れちゃったの？酷い人ね」


亡くなったはずの妻が今目の前にいる、いつもの笑顔をうかべ自分に話しかけている

「忘れるわけなかろうっ！！岩子ずっと会いたかった」


力強く抱き寄せそこにいることを改めて確認する


岩「あらあら、相変わらずあなたは泣き虫ね笑」

自分の涙を拭い優しく微笑む妻……だかきっとこれは……


岩「そう、これはあなたの夢よ」
「やはりそうか…………」

予感が当たる、そうどれだけ願っても失われた命は戻らない悲しくてもそれを受け入れるしかないのだ

それは自分がよくわかっている

ん？でもちょっとまてよ
わしの夢ならば妻が自ら夢だと告げるだろうか……


岩「ふふ、そうよこれは夢でも、私があなたの所に出向いたの」

「それはどう言う……」


岩子がわしの精神内にやってきたのは分かった……でも何故……


岩「もー！あなたがいつまでもうじうじしてるから、来てあげたのよ！！」

「いたたたっ、岩子痛いぞ〜！」

急に両頬を引っ張られ痛みに悶える、夢なのに


岩「あなた、さくらちゃんの事好きなんでしょう？」
「…………」


グッと息がつまった、まさか妻からそんな言葉を聞くとは思っていなかったからだ


岩「はぁ…あなたが私が死んでも尚、想ってくれているのは知っているしとても嬉しいわ」

''でもね''

岩「私はあなたに幸せになってほしい……ねぇ、もう1度聞くわね？さくらちゃんのことが好きなんでしょう？」

見透かすような目をして……いやとっくに水木同様、見透かされていたのだろう


「…………ああ、わしはさくらを好いておる……」

岩「その言葉が聞きたかったのよ、人間を嫌うあなたをあの子はずっと追いかけてくれてる……いい子じゃないの」

「本当に不思議な人間じゃよ……」

岩「もう、私の助けはいらないわね？」

「岩子、」

岩「ん？」


''ありがとう''


To Be Continued-…

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