幽霊族の彼に一目惚れしたおはなし

変化 ページ11

-ゲゲ郎side-

なんとなく顔が浮かびこやつを迎えにきてしまった


『でもゲゲ郎さんは体温が低いから暖を取るには向いてないかもですねぇ笑』

｢じゃあ、離すか？｣

『絶対嫌です、すいません』


こんな談笑ができるようになったのもこの手を振りほどかないのもわしがこやつにわずかだが心を許し始めているのだろうか

わしの妻は人間を愛しておった、でもわしは正直いまだに人間のことが好きにはなれない


『鍋楽しみですね〜ゲゲ郎さんは鍋好きですか？』


水木以外の人間を信用することは無いと思っていた


｢さくら、お主は不思議な人間じゃな｣

『……………』


そう言うとふいっとわしから顔を背けた
なんか気に障ったのか？具合でも悪いのか？


｢どうした急にそっぽを向きおって……『なんでもないです、』｣


そう言って頑なにわしの方を向かないさくらを見てなんだかこっちも少し意地になって無理やり顔をこちらに向けた


『ちょ、やめっ』


こちらを向かせた顔はりんごのように真っ赤に染めていた

｢どうしたんじゃ、そんなに頬を染めて｣

『だっ、て、ゲゲ郎さん私の名前を初めて呼んでくれたじゃないですか』


なんじゃそれは……名前を呼ぶだけでこんなに頬を染めるなんて

愛しい

ほんの少しだけそんな気持ちを抱いた自分がいた


｢さくら…｣

『……』


もう1度呼ぶとさらに恥ずかしそうに目線を逸らすさくら

もう1度、もう1度呼んだらどんな反応を示すのだろう今お主はどんな気持ちで今度はどんな表情を見せてくれる？


『す、ストップです！もう勘弁してください…………』


もう1度名を呼ぼうとした瞬間両手で口を塞がれ強制的に止められてしまった


『そ、そうだ！私、家に鍋の材料があるので取ってきます！ゲゲ郎さんは先に戻っててください！！』


そう言うとパタパタと逃げるように家に走っていってしまった


｢わしは何をしとるんじゃ……｣


To Be Continued-……

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