【Fischer's】七色の色

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マ｢は_____?｣


マサイは顔を顰めて、小さく一言零す。



.........そりゃそうだ。
手当されるのが嫌で、隠してたんだから。




マ｢......。｣
｢私は皆さんのアシスタントです。

私が出来ることは、全力でやり遂げます。｣



救急セットから、湿布や包帯、テープとハサミを取り出した私はほぼ強制的にマサイをパイプ椅子に座らせる。







私は片膝立ち体制で、切った湿布をマサイの腫れた足首に貼る。





___見ているこっちが痛い程、マサイの足首は青かった。




｢まただ_____。｣





私は自然と眉間にシワがより、安定しない自分の色覚に呆れ苦笑する。






......辞めてよ、ほんと。




治らないなら治らないで、生涯ずっとモノクロの世界で生きていくつもりなのに。







もう___とっくのとうに、色のある世界には諦めてんのに。







マ｢どした。｣


｢...ぁ、何でもありませんぼーっとしてただけです。｣






手が思い切り止まっていた私に心配したマサイの声を聞いて、私は我に返る。



｢できました。｣





急いで、でも丁寧に、

私は手当を終わらせる。






我ながら、初めて人に手当した割には上手いな。

そう思って、私は自然と顔が緩む。




マ｢_____綺麗。｣

｢ありがとうございます。｣



マ｢......んあぁ、いや、あぁ、うん。俺の方こそ、ありがとな。｣







マサイは自分の頭をポリポリとかき、ゆっくりと立ち上がる。









__随分と楽になったらしくて、本当良かった。









けど、自分の世界に抱く複雑な気持ちは消えない。

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