Episode5 ページ9
｢.....警部!!!警部大丈夫ですか!?｣
｢ただ腹を刺されただけだ!!!...いいから犯人を追え!!!｣
警部室の窓ガラスが割れる音、警部室にいた人があげる声、
それは、氷野の耳に届いた。
｢氷野巡査部長...!!警部が_____!!｣
急いで駆けつけた氷野を、涙が溜まった目で見ながら警部に付いていた女が叫ぶ。
｢どうしました!?｣
その声に、他の巡査達も警部室に駆けつける。
が、腹部を赤くし倒れ込む警部の姿を見て、皆言葉を失った。
｢...犯人は窓から出ていった。早く追え!!!!｣
｢.......ﾁｯ。｣
警部の言葉に呆然と立ち尽くしていた巡査達は気を取り戻し、一斉に下へと降りていく。
だが、氷野だけはその言葉に怒りのこもった舌打ちをした。
｢時期にドクターは来るはずです...、私も犯人を____。｣
｢...待て!!お前、成りすましをした"無色の"だろ!?｣
氷野と警部と女の、3人だけとなったこの警部室から出ていこうとした女の足を止めた警部。
他の巡査に被害を及ばせない為に、警部は犯人が下へ言ったと嘘をついたということを、
今の女と警部の会話で、氷野は気づいた。
そして、女が無色の女王という事も、あの紙切れに書いてあった文の意味も。
『犯罪者はずっと同じ事を続けない。』
｢.......そんなこと言ってる場合ですか!?
___黙って逃がしていれば、また刺されなくて済んだんですよ。｣
｢.....!!!｣
だが、氷野が気づいた頃には遅かった。
女はクスリと笑い、隠し持っていた刃物を警部の腹に出来た傷口に再び刺す。
服に血が滲み、みるみる力が抜けていく警部。
｢お前...なにがしたい_____。｣
片手に拳銃を持ち、冷静を保ちながら氷野は女に聞いた。
が、立ち上がった女の顔を見るなり、銃を発砲させようとした氷野の力は緩んだ。
｢.......。｣
割れた窓から入ってくる風が、女の髪を靡かせ、
女の頬を伝う雫が、警部の傷口に落ちた。
ﾊﾞｧﾝｯｯ____。
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作者名：アカツキ☆*�� | 作成日時：2017年10月6日 22時
