Episode3 ページ7
｢被害者は広瀬 桜さんとその娘の椿さん。
致命傷は刺し傷で、傷口を見るに抵抗する間を与えず、市販の手造り包丁で一刺しという形です。
以上の結果から、昨日の事件も全国の母と娘の親子を狙う無色の女によるものだと考えています。｣
狭い部屋で行われた緊急会議。
大人数で誰もが余計狭く感じているであろうそんな時にも関わらず、次々と昨日の殺人事件についての調査結果発表が指示されていく。
｢次。｣
｢無色の女は身体能力が非常に高く、人の目には追いつけない程のスピードで逃げていきます。
そして昨日現場で遭遇した際、無色の女は刃物で自らの髪を切り、"A"と名乗りました。｣
ﾊﾞﾝｯ!!
｢...それは本当ですか?｣
昨夜の晩、1人で現場に行くよう指示された氷野が署長の合図と共にあの女がした行動を手短に話す。
それに対し、違う班の一人の女が思い切り立ち上がり鋭い目付きで声を上げた。
｢...今まで性格以外の情報は何一つ不明だった連続殺人犯の為、自ら名前を明かす等疑い深いですが告げられたのは事実です。｣
信じられないのなら信じなければいいと、氷野は遠回しに告げる。
そんな無表情から一切変わらない氷野の顔を見て、女は大人しく席についた。
｢無色の女はとうとう賞金が100万。国からはヘタに動くなという指令が出ているため無駄な動きは全国の親子の命に関わる。心苦しい事だが、今日も通報が来るまでここで待機だ。｣
そんな署長の一声で、全国の警察達が集まる連続殺人事件捜査部隊の会議は終了した。
｢氷野さん、昨夜犯人と遭遇したという事を信じて、詳しいことをお聞きしたいのですが。｣
皆に続いて部屋から出ようとしていた氷野の足を、机を叩き声を上げていた女が止める。
｢...全て署長に告げてあるので、詳細は署長に聞いてください。｣
が、そんなの見向きもせず氷野は再び歩き出す。
｢ちょっと...!!｣
今度はもう足なんて止めず、女の言葉を無視して氷野は廊下を歩く。
ﾄﾞｽｯ
｢___あ、すみません...。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アカツキ☆*�� | 作成日時：2017年10月6日 22時
