【忍たま】やれば出来る子 (ページ32)

今日:10 hit、昨日:24 hit、合計:90,937 hit

三十一話　悪夢ページ32

あ「…？父上？」

父「A、ちょうどよかった
聞きたいことがあるんだ」

これは、いつの記憶？

あ「なんでしょうか」

違う

父「なぁ、A」

これは

父「何故助けてくれなかったんだ？」

瞬きをした瞬間
肌は白く、目は充血し、悲しそうな顔をしながら
血だらけの手を、私に伸ばしていた

これは
記憶じゃない

悪夢だ

あ「っ、！？」

嫌な汗の感覚
さっきまで心地よいと感じていた日の光が
暑くて気持ち悪い

「ねぇ、君大丈夫？」

あ「っ！…尾浜、先輩？」

尾「あ、俺のこと知ってるんだ
じゃなくて、すごくうなされていたけど」

あ「…大丈夫です、少し悪い夢を見ただけなので」

尾「それならいいんだけど…
気分が悪くなったら、保健室に行くんだよ？」

あ「はい、ありがとうございます」

あ「はぁ…」

汗、拭いてこよう

あ(…眠れない)

昼間、眠ってしまったのが原因か
なかなか寝付けない

外の空気でも吸ってこようかな

あ「うわぁ、綺麗だなぁ…」

昼間、眠ってしまった木の下から星を見ている
前世よりも星がよく見える
周りが暗いからかな

あ(このままここで寝てしまいたい)

実際、そんなことはできないけどね

あ(よく寝れたな)

あの後、布団に戻ったらすぐに寝れた
星も綺麗だったし、また見に行こうかな

尾「あ、昨日の」

あ「おはようございます」

井戸で勘右衛門と会った
昨日は心配してくれていたな
ありがたい

尾「昨日はちゃんと寝れた？」

あ「はい、よく眠れました」

尾「よかった、少し心配だったんだ
寝れたならよかった
何かあったら、相談にのるからね」

あ「ありがとうございます」

勘右衛門、いい先輩だな
丸くて可愛いし

斉「あ！昨日の子だ～」

あ「えっと…タカ丸さん？」

斉「しかも僕のこと知ってた…
じゃなくて、ねぇ君」

あ「は、はい」

斉「最近滝夜叉丸が話していたよ～
君、すごいね！五年生の攻撃を避けるし
三木ヱ門と喜八郎に勝ったんでしょ？
編入したばかりなのにすごいなぁ～！」

あ「えと、ありがとうございます」

ほわほわしてて可愛いなぁ
相変わらず忍ぶ気がない髪色だけど