三十話 平.得意武器 ページ31
先生「〜〜、平とA」
一番相手になってほしくなかった
滝夜叉丸強いじゃん
さっきから負けてないよ
滝「よろしくな」
あ「よろしく」
滝夜叉丸に正面からぶつかっても駄目だろう
何か考えないと…
先生「用意、始め!」
!…三木ヱ門と同じ、詰めて来た
それならなんとかできるかも…!
滝「三木ヱ門と同じだと思ったか?」
…え
滝夜叉丸は姿勢を低くして詰めて来たから
私は飛ぶしかない
振り向いたら、すでに私が向いていた方向にいて
その時、紐を取られたと理解した
あ「やっぱりすごいなぁ、滝夜叉丸くんは」
滝「え、やっぱり?」
あ「うん、だって教科も実技も四年生一番なんでしょ?」
滝「そうだが…あれ?Aに自慢話をしたことあったか?」
あ、聞いたことないや
誤魔化さなきゃ
あ「えっと、一年生の子に話しているのを聞いて」
滝「そうなのか、まぁお前も充分だと思うぞ
喜八郎を負かしたんだ、初めてにしてはすごいぞ」
滝夜叉丸って普通にいい人だよね
普段はうるさいイメージだけど
あ「ありがとう、滝夜叉丸くん」
今日の四年生は午前の合同授業で終わり、今は昼休み
他の学年も休憩をとっている
鉢「よお、編入生」
あ「…!?こ、こんにちは」
鉢「綾部を負かしたんだって?なかなかやるんじゃないか?」
あ「ありがとう、ございます」
え、なんで私三郎と普通に話してるの
会話するのは初めてだよね?口パクはされたけど
鉢「そうだ、毎年この時期には校外学習があるんだ
多分もうすぐだな、得意武器も
見つけておいた方がいいぞ」
あ「そうなんですね、ありがとうございます」
鉢「私はそろそろ行く、じゃあな」
手を振って行ってしまった
なんだったんだ、すごく嬉しかったけど
得意武器か
弟はまだ決めていなかったな、小さかったし
お父さんは…
『A、どうした?この武器が気になるのか
これはな、流星錘だ
重りが二つ付いているから双流星という』
あ(……懐かしいな)
…落ち込んでてもしょうがないか
私は悩まなきゃいけないんだから
あ「ん…なんか眠いな」
木陰に居るとちょうどよく暖かい
少しくらいならいいかな
そう思ったときには
もう
夢を見始めていた
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作者名:教六 | 作成日時:2020年7月6日 21時