八十話 お返し ページ39
鉢「A、少しいいか？」
お風呂から出て部屋の前に来た時
三郎に声をかけられた
…聞かれることは
なんとなくわかるけどね
あ「はい、なんでしょうか？」
鉢「…昨日の夜のことなんだが」
やっぱり、そうだよね
鉢「私は、Aになにかしていたのか？」
…少し、焦らしちゃおうかな
あ「知りたいですか？」
鉢「…Aが嫌なことをしていたのか…？」
あ「そうではないんですけど
…本当に覚えていないんですか？」
鉢「…ああ、覚えていない」
三郎の顔に少し、不安の色が映る
流石にかわいそうかな
あ「わかりました
では、お返しです
目を瞑ってください」
鉢「わかった」
素直に目を瞑る三郎
平手打ちでもされると思っているのか
顔が強張っている
大丈夫だよ
私がすることは
そんなことじゃないから
鉢「…っ！？」
唇が重なった瞬間
三郎は目を見開いた
ちゅっ、といやらしい音を立てて
唇が離れた
驚いている三郎の目を見て
少し微笑みながら言う
あ「…私は
初めて口付けする相手が
貴方で良かったです」
三郎から離れて部屋に入る
襖の間から三郎を見ながら
あ「おやすみ、三郎
また明日」
そう言い残して
襖を閉めた
少しすると三郎は部屋の前から
立ち去った
…自分らしくないことしたな
おかげで
あ(…心臓、五月蝿くて堪らないよ)
「…Aさん、少し話したいんだけど……」
あ「…うん、いいよ」
四年生…また告白かな
…食堂以外で言ってほしいな
上級生が見てきてるって
下級生にも見せたくないし…
「編入して来た時からずっと好きでした
付き合ってください」
だよねぇ…
というか、火薬倉庫の裏って
人気がないから嫌なんだけど…
断って、早く他へ行こう
あ「ごめんなさい
私、恋人がいるの
お断りさせていただきます」
「……そっか
それなら」
手首を片手で押さえられ
壁に叩きつけられる
あ「…っつ……！？」
…これ、やばい
鳥肌が立つ感覚がわかる
「…既成事実作っちゃえば
君に選択肢なんてないよね…？」
あ「…っやめて……！」
抵抗してはいるが全然動じていない
男の力に女は敵わない
上衣を引っ張って
肌に触れようとしたその手を
「…なにしてるんだ？」
貴方が
止めてくれた
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妖福(プロフ) - なななさん» コメントありがとうございます！ドキドキ…そんな風に言ってもらえるなんてすごく嬉しいです！！更新頑張ります！！！ (2020年9月10日 19時) (
レス) id: 0d154ab0ae (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - 初めまして。三郎が大好きでこちらの作品を拝見させていただき、とても素敵な三郎に会えて嬉しいです。夜中に一気に読んでしまいました。三郎の一言一言に自分もドキドキしました。こらからも頑張って下さい(^^) (2020年9月10日 5時) (レス) id: c0f8350906 (このIDを非表示/違反報告)
妖福(プロフ) - ちびきゅうさん» コメントありがとうございます！好きが強くなってくれてる…とても嬉しいです！更新頑張りますね！！ (2020年9月9日 19時) (レス) id: 0d154ab0ae (このIDを非表示/違反報告)
ちびきゅう(プロフ) - とてもおもしろかったです！もともと三郎が大好きなのですがこの作品を読んでさらに大好きになりました！！更新頑張ってください(*´∇`*) (2020年9月9日 5時) (レス) id: d482c4bf0c (このIDを非表示/違反報告)
妖福(プロフ) - 音かなでさん» わわっ！コメントありがとうございます！！楽しんでくれて嬉しいです！更新頑張ります！！ (2020年8月10日 16時) (レス) id: 0d154ab0ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：教六 | 作成日時：2020年7月22日 18時
