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知りえない家の事情 ページ28

「お帰りなさいませ、天馬様茜様。」

家に帰ると、お手伝いさんがニコニコしながら立っ

ていた。

「ただいま戻りました。何かいいことでもあったん

ですか?」

私が尋ねると、お手伝いさんは私の耳で囁いた。

「勝負はどうなったんでさか?」

私はお手伝いさんの顔を見る。

「なんで知ってるんですか?」

「なんでって、噂を聞いたまでで。で、どうだった

んですか?」

「そんなこと言えませんよ!ていうかこの事って」

「さっさと着替えないのか?ん〜?」

天馬はいつの間にか着替えている。私はいったん話

すのをやめて、隣の部屋に入った。

「?なんだあいつ」


「で、この事って天馬は知ってるんですか?」

「たぶん知らないと思います」

安心した。天馬にそんな事を知られれば、面倒な事

になる。

「しかし、いったい誰がそんな噂を?」

「だいたい見当はついています」

私と梓の勝負の事を知っていたのはあの人しかいな

い。

「で、どういう事ですか?すばる様!」

「ややわ〜、電話でそんな大きな声出さんといて」

そう、犯人は御幣島すばる様。すばる様は有馬様と

同じぐらい、人の恋の悩みが大好きだ。まぁその人

に恋の邪魔をされたわけだけど。

「なんでみんなにその事広めてるんですか!!」

「ええやんか〜、天馬はんに知られてないんやし」

「ダメに決まってるじゃないですか!もしどっちか

が負けたら・・・」

私は梓の事を思い出す。負けたことを周りになんて

言われるか・・・

「これは遊びじゃないんです!!」

「遊びやないからやろ?遊びやないから、天馬はん

の事諦められへんようになるかもしれないって、あ

んさん考えたことあるの?」

「でも梓は諦めがついたって言って」

「梓はんやない。お家や」

すばる様の言うことはもっともだと思う。梓は大丈

夫だと言っていたけど、どうにも信じられない。だ

って、家同士の信頼関係に関わる事だ。

「そもそもな、この婚約には変なところがいっぱい

あってなぁ。梓はんの家と鸕宮家の婚姻は他の家

が勝手に進めたことで、鸕宮家も梓はんの家み気

乗りはしていなかったようでな」

鸕宮家ほどになれば婚約ぐらい破棄できるのでは?

「けど断りでもすれば、進めてきはった家との信頼

関係が崩れることもある。だから何もできへんの

や」

けれど、私との勝負に負けたともあれば諦めざるお

えない。そういうことか。

次に続きます!

隠し事だけは・・・嫌だ→←彼の本音



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レモン - このお話はもう、終わってしまったんですか?楽しみにしてたので残念です。 (2018年2月4日 16時) (レス) id: 5aac9fd1e3 (このIDを非表示/違反報告)
猫ポン - 夜世井さん» コメントありがとうございます! (2017年5月29日 19時) (レス) id: 1ddc5b18ff (このIDを非表示/違反報告)
夜世井 - アイツて誰?!更新楽しみにしてますね! (2017年5月28日 13時) (レス) id: 7ab112d914 (このIDを非表示/違反報告)
猫ポン - 美姫♪さんりんりんさんもありがとうございます! (2017年5月16日 20時) (レス) id: 1ddc5b18ff (このIDを非表示/違反報告)
猫ポン - つーちゃんさん» いえいえ、いつもありがとうございます! (2017年5月16日 20時) (レス) id: 1ddc5b18ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:猫ポン | 作成日時:2017年5月5日 16時

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