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責任を負う怖さ ページ16

「ウゥ・・・」

背中に痛みが走る。背中だけではない。腕や足、腹

に頭・・・殴られたり斬られたり、私の体は傷だら

けだった。血が頭から流れ落ちる。だんだんと意識

がとうざかり、私はゆっくり倒れた。

「答えろ。なんで俺達に間違った指示を出した!ア

ンタの指示で、俺達は陰陽師を続けられなくなっ

た!!」

驚いた。まさか陰陽師を辞めなければならないほ

ど、重傷をおっていたとは。私は自分の無力さに怒

りを覚える。私が指示を変えていなければ。その以

前に、私が指揮をとらなければ。彼らは陰陽師を続

けていたのである。

「なのになんでお前は・・・」

男達は驚いていた。なんせ、私が、

一人泣いているのだから。

「ごめん・・・なさい・・・ごめん・・・なさい」

私は涙が止まらなくなる。男達は動揺して動きを止

めている。すると、

「何をやっている!!」

誰かが現れた・・・

その後の記憶は無い。でも、あの時も頭の中にいた

のは、天馬達だった。



あの後、私を襲った陰陽師達は呪装をして人に危害

を加えたとして、島を追われた。私は治療を受け、

今回の件で陰陽師としての活動を一か月休止するよ

うに命を受けた。


「ただいま帰りました・・・」

私は痛む足を引きずりながら、鸕宮宗家に戻った。

もちろんここまでは、水度坂家の方々に送ってもら

った。

「お帰りなさいませ、茜様。」

相変わらずお手伝いさんは私を暖かく出迎える。

「お怪我の具合は?」

「大丈夫です・・・」

お手伝いさんを安心させようと、私は少し微笑ん

だ。けれど、心の中はそんな気持ちではない。

「茜様?あの・・・」

「今日はもう寝ます。お疲れ様でした。」

それだけ言うと、私は部屋の中に逃げ込んだ。

そして、外には聞こえないように泣いた。



一週間、私が部屋にこもっていた時間。お手伝い

さんは私に食事を運んで来てくださるが、私は一口

食べて、すぐに返した。家の中にいる他の傘下の人

達は私を蔑み、天馬でさえも、私お慰めには来なか

った。

「目にクマが・・・」

久しぶりに鏡を見た私は目の下をなぞる。一睡もせ

ずにいたのだからしょうがない。

(久しぶりに風呂に入るか・・・)

私は風呂場へ向かった。

体を流し、一息つくと、私はふいに首元をなぞって

みた。しかし、感じるのは濡れた肌だけ。そう、い

つもは首にあるペンダントが、そこにはなかったの

である・・・

慰めの・・・→←失態に失態を重ね・・・



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レモン - このお話はもう、終わってしまったんですか?楽しみにしてたので残念です。 (2018年2月4日 16時) (レス) id: 5aac9fd1e3 (このIDを非表示/違反報告)
猫ポン - 夜世井さん» コメントありがとうございます! (2017年5月29日 19時) (レス) id: 1ddc5b18ff (このIDを非表示/違反報告)
夜世井 - アイツて誰?!更新楽しみにしてますね! (2017年5月28日 13時) (レス) id: 7ab112d914 (このIDを非表示/違反報告)
猫ポン - 美姫♪さんりんりんさんもありがとうございます! (2017年5月16日 20時) (レス) id: 1ddc5b18ff (このIDを非表示/違反報告)
猫ポン - つーちゃんさん» いえいえ、いつもありがとうございます! (2017年5月16日 20時) (レス) id: 1ddc5b18ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:猫ポン | 作成日時:2017年5月5日 16時

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