ころママ ページ9
こ「うっわ、やっぱり来たよ」
自分の部屋で、パンダのぬいぐるみを抱きながら寝っ転がっていると、階下からころちゃんの声が聞こえた。
階段を降りると、ころちゃんがテーブルに置いてあるお雑煮を見て苦い顔をしていた。
「どうしたの?」
こ「母さんが送ってきたみたい」
「ころママが?」
ころママ、というのはころちゃんのお母さんのこと。
つまり、私の親戚のおばさんにあたる。
けれど、「おばさん」と呼んだことはない。
小さい頃からなぜか「おばさん」ではなく、「ころママ」と呼ぶよう言われていた。
不意にころちゃんのスマホから電話がかかり、ころちゃんはスピーカーフォンにして応答した。
「もしもし、母さん?」
ころママ『届いた? あたしが作ったご飯』
こ「届いたよ! 別にこういうの送んなくていいって言ったじゃん!」
ころママ『せっかく、あんたもAちゃんと同居することになってさ、お祝いのつもりで作ったっていうのに』
こ「いいよ、気持ちだけ受け取るって言ったじゃん僕!」
ころママ『まあでも送っちゃったしさ、今日の夜ご飯ってことで食べてよ』
「はい、ありがとうございます!」
私の口から、お礼の言葉が漏れていた。
ころママ「あ、その声はAちゃん? 声からして、だいぶ大人っぽくなったんじゃないの?」
「そうですか?」
ころママ「声聞かない間に、すっごい礼儀正しい子に、育ってる!」
「じゃ、母さん切るよ?」
ころママ「あたし、まだAちゃんと話したいんだけど?」
こ「今度でいいでしょ、今度で!」
ころママの『えっ、ちょっと!』という声を待たずして、ころちゃんは電話を切った。
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ましゅ☆まろ。紫月まろ。(プロフ) - ゆめなさん» いえいえ。 (7月20日 16時) (レス) id: df7b4f216a (このIDを非表示/違反報告)
ゆめな(プロフ) - ましゅ☆まろ。紫月まろ。さん» わわっ!こちらにも!!ありがとうございます! (7月20日 15時) (レス) id: b3b8a8904b (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ☆まろ。紫月まろ。(プロフ) - とても面白かったです! (7月20日 13時) (レス) @page34 id: df7b4f216a (このIDを非表示/違反報告)
ゆめな(プロフ) - 花音さん» 花音さん、こちらの作品も読んでくださり本当にありがとうございます♪ (2022年1月17日 22時) (レス) id: 7e9a098d03 (このIDを非表示/違反報告)
花音 - ゆめなさんお久しぶりです♪完結おめでとうございます( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ (2022年1月17日 19時) (レス) @page34 id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆめな | 作成日時:2021年5月21日 14時