犬系の後輩くんは、苺の王子！

るぅとくん ページ10

放課後。


る「Aせんぱーい」


そんな風に呼ばれて、声のする方を見ると私の方へ小走りでくる男の子がいた。

よく見ると、学校のマークが違うのでうちの制服じゃない。
しかも、ああいう幼い感じの声は聞き覚えがある！

確か、莉犬くんのお見舞いに行った時に一緒だった……。


「あっ、るぅとくん……だっけ！？」


る「はい、るぅとです！」


私の目の前に現れたのは、あの時に会った、るぅとくんだった。


る「あっ、莉犬から受け取ったんですね、それ」


私のバッグを見て、るぅとくんがそう言う。
このマスコットのことか。


「あっ、うん。莉犬くんが、私のバッグ、何もついていないし、これ使ってって」


るぅとくん、莉犬くんが私にこのマスコットをあげることを知っていたのかな？


る「ほんと、莉犬から気に入られてますよね、A先輩って」


「あはは……」


る「それ、莉犬なんですよ」


「えっ？」


る「それです」


マスコットに指をさして、るぅとくんは言ったけどちょっとどういうことかわからない。


「これが、莉犬くん？」


まあ、赤い髪だということは似てるんだけどどういうことなんだろう。

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