体調不良の黄緑くん

６ ページ15

・・・光


光「は!?何言ってんだよ!」


この状態でステージに立つなんて無茶だ。


宏「自分の体調管理が…なってなかった、せいで…」

侑「なんだとしても、宏太はすぐ無理しちゃうからダメって＿＿」

宏「お願い……ライブ、出させて…！」


いつの間にか買い出し組も戻ってきていて、

裕翔が全部やってくれてた。

俺達は顔を見合わせる。

薮は俺達をじっと見つめ、もう一度、「お願い。」と言った。


光「……はぁ。」

宏「…光？」

光「いいか。絶対、きつくなったら言うこと。」


薮の目線に合わせて、はっきり言う。


涼「え、いいの？光くん。」

光「しょうがない。

　 薮、頑固だから。どうせ何言ってもライブ出るでしょ。」

宏「あ、りがと…光。」

光「でも一つだけ約束。」

宏「…？」

光「何か、俺達に隠してることあるだろ。」


ライブの時間が迫る。

薮は気まずそうに俺から目をそらす。

否定しないとこ、反省はしてるんだろう。


光「その隠してることをライブ終わったらちゃんと話して。」


薮は一瞬つまったけど、頷いた。


慧「じゃ、ライブ準備しよ。薮立てる？」

宏「ん…大丈夫。」


少し復活したらしい。


時間もやばかったから少し急いで裏に回る。


JUMPコールが聞こえる。


スタッフさんにも手伝ってもらって

なんとか登場には間に合いそう。


圭「ぎりぎりまで休んでて。」


Overtuneが流れて、メンバーが映るたびに

会場に歓声が響いている。

今回、Overtuneで暗転している間にメンステに出るから

登場のぎりぎりまで待機出来る。


光「薮、行こ。」

宏「ん。」


薮は自分で立ち位置まで行って、

軽く振りの練習をしていた。


「「「「キャーーーーー!!!!」」」」


山田の映像が終わり、映像の中で俺達がカウントダウンを始める。


『１０』

『９』

『８』

『７』


薮と目を合わせる。

間隔は空いているけど分かる。


『６』

『５』

『４』

『３』

『２』

『１』


「「「「「「キャアアアアアアアア!!!!」」」」」」


ものすごい歓声を体中に感じる。

暑い位のライトを浴びながら曲が始まる。


薮を見ると、本当に楽しそうで、

体調が悪いなんて微塵も感じさせなかった。


そう。

それが薮。


でも、隠しごとはダメだよね？

後でちゃあんと、叱っとかないとね!!


・

７　Last→←５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す