じゅーう ページ12
今、私と柚羽ちゃんは、一緒に歩いて帰っている。
あれから少し話して、柚羽ちゃんの家が、私の家へ帰る道の途中にあるのだということが分かった。
ということで、それなら一緒に帰ろう!となって、学校が終わり、只今帰宅中です。
せっかく一緒に帰れるというのに友情を深めないというのは私の中の選択肢に存在しないので、お話をして何か共通の趣味を見つけたいと思います。
『ねえ、柚羽ちゃん。柚羽ちゃんは、読書は好き?』
「はい?読書ですか……?」
キョトンとしている柚羽ちゃん。うん、可愛い。
私は彼女の質問に対して、頷いた。
「読書、好きですよ。家にも結構な数の本が揃ってまして…友利さんも、お好きで?」
『うん、大好きだよ。てか、読書が趣味。……あと、良かったら名前で呼んで欲しいなぁ、なんて』
それとなく名前呼びをお願いする。
すると、柚羽ちゃんは一瞬固まった。
えっ、まさか名前呼びは嫌、なのか!?
『えっと、名前で呼ぶの嫌だった!?そうなんだったらごめん!今の忘れていいよ!?』
一人でアワアワしていたら、柚羽ちゃんが、プッと噴きだして笑った。
『えっ!私何か可笑しなこと言った?!』
「ち、違うの。こんなこと言われるのは初めてだったから……ごめんなさい」
まだクスクス笑っている彼女に、キョトンとする私。
ようやく笑いが収まったらしい柚羽ちゃんは、こちらを見た。
「Aちゃん…でいいんだっけ?貴女とは、なんだか仲良くなれそう。改めて、宜しくね?」
先ほどとは打って変わり、敬語が抜けて柔らかな雰囲気になった柚羽ちゃんが手を差し伸べてきた。
一方私は、あまりの嬉しさにだらしない笑顔で、差し伸べられた手を握り返した。
なんて素晴らしい日なんだ!よし、今日を柚羽ちゃんを仲良くなったよ記念日としよう!!
そんなハイテンションな私は、次の瞬間、ある人物の登場により、一気に現実に引き戻された。
「あれ?柚羽姉ちゃん?」
……む?どこかで聞いたような…?
「隣のお姉さんは誰?」
あっるぇ―?なんか聞いたことある声だなー?
最早、遠い空のかなたを見つめる私と、どんどんこちらに近づいて来る少年君。
柚羽ちゃんが少年に声をかけた。
「あ、コナン君!こんなところでどうしたの?」
「僕、友達と遊ぶ約束があってね、そこに向かってたら偶然、柚羽姉ちゃんを見かけたから声をかけたの!」
とりあえず一言……演技うっま!
そして……そんな偶然いらんわ!!
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海迦月 - 美月さん» そう言ってもらえると嬉しいです(*'ω'*)更新頑張ります! (2017年5月20日 20時) (レス) id: 349c26b5b3 (このIDを非表示/違反報告)
美月 - 続きが気になります。更新楽しみにしてます! (2017年5月17日 16時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
海迦月 - 哀季莉さん» ありがとうございます!更新頑張りますね( *´艸`) (2017年4月20日 22時) (レス) id: 349c26b5b3 (このIDを非表示/違反報告)
哀季莉 - 次の話がとても楽しみです。更新頑張って下さい! (2017年4月20日 2時) (レス) id: 4314ae819e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海迦月 | 作成日時:2017年4月2日 1時