イルミナント

J108 #3 ページ44

フードコートを離れて本格的に買い物に向かう。

大ちゃんはといえば、カレーをすべて腹の中に収めた後「ふぁ〜おなかいっぱい」なんておっさんみたいなこと言ってた。そうでしょうそうでしょう、お腹いっぱいでしょう。


「おっさんみたいだな」なんて言ったら「宏ちゃんがいつも言ってるやつだよ？」って光に言われた。
宏ちゃん完全に無意識だったから地味に傷ついちゃったぞ。




「慧くんは何か欲しいものがあれば言うんだよ？」

「………うん。」




今日も、好きなもの何か見つかればいいなと思う。
ネコだけじゃなくてね？


というか、さっきから慧くんがそわそわしている。
チラチラと近くの家族を見て…やっぱり家族連れが多いのはストレスだったかな。

可哀想な事をしたなと思っていた時だった。




「あぁっ！けいくん！！」



先程まで慧くんが見ていた家族。
父親と母親がその場を離れてベンチに待たされたらしい子供がキョロキョロとして、それから大きな声を出して慧くんに駆け寄ってきた。

誰だ……？





「涼介……久しぶり…」




大ちゃんと同い年くらいに見える彼は、ニコニコと笑いながら慧くんに飛びついた。
慧くんの表情は強張っていた。

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