イルミナント

J41/F33 #1 ページ24

その日は珍しく光と雄也が2人で買い物に行っていて、家に残された3人は退屈をしていた。
特に末の大ちゃんはまだ年長さんの歳の遊び盛り。あの2人がどこか楽しいところに行っているのに自分だけ残されていると不満をこぼしていた。


「じゃあ公園行く？」

「いくっ！けいくんも！！」


無邪気に慧くんを巻き込む大ちゃんと少しギョッとした顔を見せた慧くん。
まぁ確かに慧くんも大きいとは言っても小学生。1人で置いていくのも気が引ける。




「じゃあ、3人でいく？」


慧くんを巻き込む気満々の俺を見て、慧くんは一つ溜息をついた。





「けいくん！あれしよ！！！」



そういえば公園に連れてきたのは久々だったかもしれないな。
前は「よいしょ」と言わないと登れなかった滑り台の階段を簡単に登っていく姿を見て思った。

小さな成長は見ていて嬉しい。


慧くんももう5年生なのに6歳児に付き合ってくれる、なんだかんだ優しいお兄ちゃんだ。

表情や言葉こそまだ乏しいけれど、少しずつ心を開いてきてくれてるのかなって。
少しずつ一緒に生きていくことを選んでくれているのかなって。

そうだったらいいなって。



「大ちゃん、あんまり慧くんにわがまま言わないんだよ？」

「わかってる！！」

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