Memory

ソウサ #4 ページ19

「ごめん、聞き出せなかった。けど、やっぱり知ってる。」




「そっか。ありがとう。」




「ありがとうはこっちのセリフだよ。いろいろ付き合ってくれて。」




「ううん、いいんだ。有岡くんが少しでも昔に囚われないようにしたいだけだから。」




「とりあえず次は有岡くんと宏太にかまかけ……」







高木くんの家で、次の作戦会議に移ったところだった。








「たかきっ、遊びにき……た………」




目の前には目をまん丸にした有岡くんがいて。







「お前っ、なんでっ、高木に何してんだよ！！」




「いや違うんだって有岡くん！俺は何もされてなくって、」




「高木！大丈夫？怪我してない？何言われた？」




「有岡くん、一回落ち着いてって！また体調悪くなるよ。」




「だってこいつ、殺人犯だぞ！近づいたら何されるかっ…！」




「ほら、落ち着いてって。大丈夫だよ。それに八乙女さん、何も覚えてないんだって。その頃のこと。」




「はぁっ……は？意味、わかんないんだけど…。」




「ごめんなさい。僕、記憶が抜けてるんです。」






その言葉に元々丸い目を有岡くんはさらに丸くした。






「じゃあ、ママを殺したのも…。」




「はい、全く記憶にありません。」





下瞼の上にじわじわと涙が広がって、ポロリと落ちた。






「なんでっ、ホントにっ覚えてないの…？」

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