・ ページ8
八乙女side
玄関から飛び出して、ある程度走ったところで俺は崩れ落ちた。
八「っ……やだ……やだよ……！」
薮と別れるなんて自分から考えたのに。
こんなに辛いとは思わなかった。
これじゃ、まだお母さんみたいな立場でも薮の隣にいた方がよかった……
薮……
お願い離れないで……
あの指輪もう一度俺につけてよ……
俺の左手の薬指にはめてよ……
薮が『一生俺の隣にいてください』って、言ってくれた時みたいに……
八「薮……」
伊「光？道に座り込んで何してるの？」
後ろを振り返ると、伊野ちゃんがいた。
伊野ちゃんは俺のぐしゃぐしゃの顔を見ると、びっくりしたように、
伊「ごごご、ごめん！！さっきはほんとにごめん！言いすぎた！」
慌てて謝ってきた。
伊野ちゃんは俺がこんなことした、って言ってもそっか、しか言わないような気がした。
八「……伊野ちゃんのせいじゃないから。……でも、ありがとう。俺、ちゃんと薮に言ってきた」
伊「……なんて？」
八「……別れよう、って」
伊野ちゃんがあ然としている。
自分の口からはっきり言うと、とてつもなく実感が湧く。
俺、薮のことフったんだ、って。
伊「……何でそうなるんだよ」
八「……へ？」
伊「なんでそうなるんだよ！！」
八「……っ！」
伊「光の気持ち、ってそんなもんだったの？！俺にちょっと言われたぐらいで揺らぐものだったの？光は違うと思ってたわ。死んでも薮にへばりつくと思ってたわ！」
八「……俺だって、できるんだったらそうしたいよ。でも、俺は薮にとって邪魔なんだよ。もう薮を縛り付けたくないから……それで……」
伊「お人好し！！！光にとって、薮はなんなの？！そんな敬語たらしの態度を取るような仲なの？！お互い気遣いしまくる先輩と後輩なの？！」
八「……ちがうよ……」
伊「薮は間違いなく光のことを愛してるよ！？光も間違いなく薮のこと愛してるよ！？なんでお互いもっと素直にならないの？！気を遣うの？！迷惑かけてもいいじゃん！迷惑かけて嫌な顔するやつとはそれまで、ってことだよ」
八「でも、もう俺……」
伊「別れたから？そんなんで終わらせるつもり？光の気持ち、ってやっぱそんなもんだったの？」
八「……ちがう」
伊「じゃあ、証拠見せてよ。薮と俺の前でキスして愛を誓ったら認めてやるよ」
八「っ……分かった」
俺は薮の元へ走った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 180人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
aiotcnyyy(プロフ) - 美音さん» あり岡です！どっちか分からなかったので、助かりました！ (2018年7月9日 22時) (
レス) id: e125c685a0 (このIDを非表示/違反報告)
美音 - コメント失礼します。たぶん伊野尾くんは光くんのことを「光」って呼び捨てで呼んでると思います!! 更新がんばってください!! (2018年7月9日 22時) (レス) id: 0ff438b28e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：aiotcnyyy | 作成日時：2018年7月4日 3時
