4月の春の匂い ページ1
慣れない白いブレザーと買ったばかりの硬いローファー
新しい生活が始まるというのに、重いまぶたはいつも通りで少し笑えてくる
対して隣を歩く奴はいつにも増して浮ついている
それもまた可笑しくて笑える
「国見、お前楽しそうだな」
いつも通りだけど、と返したがやはり自分も新しい生活に少しばかり期待しているのかもしれない
とはいっても同じ中学の奴らが何人か入学するし、さほど変わらないのも事実、実際今隣にいるのは3年前と変わらない
なんとなく始めたバレーボールも、今では自分の生活の一部になっていて、そのためにこの高校を選んだのだ。まあ近いという理由もあるが、ここに行けば及川さんや岩泉さんも待っている
昔のことやこれからのことを思う自分
浮ついているのはこっちも同じか、なんて考えながら門をくぐる
________
こんなことを思うなんて自分らしくない
黒くて艶やかな長い髪
白く透き通った肌
自然な血色感のある唇に
遠くから見てもわかる長い睫毛
伏せ目がちなその瞳からは何とも言えない哀愁
綺麗
思わず見惚れてしまった、
あの人は名前はなんだろうか、クラスは、部活は入っているのか、入っているとしたら文芸部とかか、運動部はなさそう、そもそも何年生だろうか
「___み、ぉい、国見!」
「あ、ごめんぼーっとしてた」
こんなの自分じゃないみたいだ
金田一から心配されたが自分自身が一番驚いている
あの人が自分の頭の中を支配する
また会えるだろうか
あの人を守りたい
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ののの | 作成日時:2020年3月2日 21時