ハグレ者の譚 ページ10
すぐに世界を翔んだ。
上も下も分からない狭間で、ひたすらに願いを祈り続ける。それを神様が気に入れば御前へと引き上げられるはずだった。
ここだけは賭けだったけど……俺はその賭けに勝てたようだ。
『命を懸けてまで、他者の望みを叶えようとはのぅ……これは異なことだ』
｢御前へとお招きいただき感謝致します。
確かに私自身の願いではありませんが、とても大切な願いなのです。
どうか、あの2つの魂が離れることのないようにお願いいたします｣
気付けば、空間が歪み何処かへと翔ばされていた。
辺りは暗いままで何かを視認できた訳では無い。だけど、そこに"居る"と己の直感が告げていた。
その後聞こえてくる声は、頭の中に直接話しかけられているようで何だか気持ちが悪かった。
……それは、この空間が何処か澱んでいると感じたからかもしれないが。
『ふむ……此処へ来るのなら、代償としてその命を奪われることもあると知っておろうに』
｢それで2人が離れないで済むのなら｣
間を置かずに返した返答に、ニヤリと目の前の存在が笑った気がした。
『面白い。ならばお前の大切なものを代償として奪おうか。
大切な人の記憶。
存在意義。
自由。
これらを差し出すのなら、叶えてやっても良い』
｢そのお言葉、受け入れます｣
『ならば願いを聞き届けよう。
＿＿これよりお前は私の玩具だ。
命じた世界へ翔び、澱を狩り、人と親しくなると良い。
そうして世界を渡る度に忘れ去られ、孤独に苛まれるところを見せてくれ。
あぁ、お前の一族からも離れると良い。"当主になること"が今までの存在意義だったのだから、それを奪われたのなら当然のことだろう？』
告げられた言葉に、クラりと目眩がした。
大丈夫。
この命を捨てることすら厭わなかったはずだ。
それで、葛葉たちが幸せになれるのなら、俺が多少苦しむことくらい＿＿
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りく(プロフ) - 日向さん» 楽しみにしております！ (2022年1月18日 4時) (
レス) id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - りくさん» 頑張りますね！！取り敢えずは本編に繋がるまでのwtrの回復するまでのお話を書けたらなと! (2022年1月17日 23時) (レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - 日向さん» 素晴らしいですよね！！！（（ﾏｯﾃﾏｽ） (2022年1月17日 22時) (レス) id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - りくさん» 本編は幸せメインですが、こちらは完全に闇に染めてしまうのも手ですかねぇ？？笑 ……闇落ちって素敵ですよね← (2022年1月17日 22時) (レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - 日向さん» 幸せなwtrをずっと見ていたい！！！でもっ！！！！独りで苦しんでどうにも出来ないwtrもみたいｯ！ (2022年1月17日 19時) (レス) id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日向 | 作成日時：2021年10月23日 14時
