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そうだった。
刀也に言われてからは耳を隠すために布を被っていたんだった。
それが血濡れていたなら不審扱いされて当然か。


そんなことを考えながらするりと布を外せば、驚いた3対の瞳がこちらを凝視していた。



「み、耳!?」


「え」


「ありゃりゃ。俺らと同じかと思ったらそれ以上やねぇ」



「どうやら俺の姿は人を驚かせるらしくてね、隠しておけって教えて貰ってたことをすっかり忘れてたよ。
それで、助けて貰ったお礼がしたいんだけど。なにか俺に出来ることはある?」





それから話をするうちに、3人はそれぞれ別の村から追い出されてきていたということがわかった。

「俺たちは忌み子らしいからね。殺される前に逃げてきたんだよ」

と告げる灰の表情は苦しみも憎しみもなく、ただただ無だった。


髪色がその異端扱いの原因らしいけど。
そんなことで住処を追われるなんて、人って面倒なんだなと心の中で独りごちた。


3人は生きていくために、情報屋として活動しているようだった。
姿はマントで隠して、髪は染め粉で染めて、幾重にも素性がバレないように気をつけて。


灰と明那は少しずつ態度が軟化して来ているけど、湊はどこかずっと一線を引いていた。

「_あの2人に手ぇ出すんなら許さんよ?」

そう視線が語っている。恩人にそんな事をしないんだけど、それはなかなか伝わらない。




数日ぶりに狩りの合間に3人の様子を見に行った時。

3人は街に行く話をしていた。その表情は決して緩いものではなく、どこか張りつめた雰囲気が漂っていた。

それなら好都合とばかりに俺は声をかけながら人へと変化する。



「町に行くなら俺が行こうか?……ホラこの姿なら平気でしょ」


「え、耳無くせるの!?」


「一応ね。
で?手伝えることなら手伝うけど」


「いや……依頼の受け渡しがあるだけだからいいよ。
あとは肉を食べたいねって話してただけ。値も張るし、俺たちは簡単に店に行けないから。バレたら面倒だしね」


「なんだ、肉が食べたいなら俺が狩ってこようか?」


「買ってくるの!?」


「うん、狩ってくるよ。
毛皮とか売ればお金にもなるし、3人もその方が嬉しいでしょ?」


(((あ……そっち……)))



何だか会話が噛み合っていない気がしたけど、人間って生活のためにお金が必要なんだよね?

刀也から『貴方なら自分で狩った獲物を売れば相応のお礼として返せますよ』って教わったんだけど。

やっぱり、これくらいじゃお礼にならないのかなぁ。

+→←特異な髪色の譚



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りく(プロフ) - 日向さん» 楽しみにしております! (2022年1月18日 4時) (レス) id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - りくさん» 頑張りますね!!取り敢えずは本編に繋がるまでのwtrの回復するまでのお話を書けたらなと! (2022年1月17日 23時) (レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - 日向さん» 素晴らしいですよね!!!((マッテマス) (2022年1月17日 22時) (レス) id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - りくさん» 本編は幸せメインですが、こちらは完全に闇に染めてしまうのも手ですかねぇ??笑 ……闇落ちって素敵ですよね← (2022年1月17日 22時) (レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - 日向さん» 幸せなwtrをずっと見ていたい!!!でもっ!!!!独りで苦しんでどうにも出来ないwtrもみたいッ! (2022年1月17日 19時) (レス) id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:日向 | 作成日時:2021年10月23日 14時

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